ラッパーのgummyboyが、ミックステープ『The World of Tiffany』をリリースした。Tohjiと共に率いるクルー「Mall Boyz」での活動でも知られる彼にとって、本作は初のミックステープ作品となる。事前に全体像などは考えず、そのときそのときの「いま」を刻むことに終始した曲たちが並んでいるという本作は、その作為のなさゆえか、この作品にしか刻み得なかったひとりの青年のリアルを、記憶を、独自のバイオリズムと共に刻んでいる。ユーモアと欲望が跳躍しながら手を繋ぐ狂騒的なテンションの序盤から、中盤、徐々に徐々に溶けだしてゆく感情――不安、焦り、アパシー、安らぎ、幸福、「君」、愛。そして、辿り着く最終曲“Tiffany”において広がる、あらゆる不安と安堵が混ざり合った末に生まれる祈りのような光景。ここでリアルはリアルのまま、物語になる。本当に美しい作品だ。写真家Ryo Yoshiyaによる素晴らしいアートワークも、この作品の持つ美しさと悲しさを見事に映し出している。
この『The World of Tiffany』には、言い訳も説明もない。ただ、gummyboyにしか体感することができなかったリアルがあり、彼にしか思い出すことができなかった記憶がある。それでもこの作品は、僕らを温かい気持ちにさせる。僕らにもなにかを思い出させる。以下から始まるのは、gummyboyへの単独インタビュー。彼はとても恥ずかしそうに、ゆっくりと語る。彼と話すのは、とても特別な時間だった。
どれだけダサいことをそのままいえるかが、大事だと思う。
―新作ミックステープ『The World of Tiffany』は、ご自身にとってどんな作品になりましたか?
gummyboy:作った期間が長かったんです。全部を1カ月で作るとかではなくて、半年以上前の曲とかもあるんですよね。作りたいときに作っていた曲を並べてみたら、結果的に物語みたいになったなって。最終的に、すごく自分っぽいものができたなと思います。
―この作品を振り返ると、自分はどんな人間なんだと思いますか?
gummyboy:前半のアッパーな曲はパーティーやクラブでのノリを念頭に作ったけど、最後の曲(“Tiffany”)は最後にできて……やっぱり自分のことだな、みたいな(笑)。どっちの感じもしっくりくるけど、最後はそっちに落ち着きたいんだなって思いました。やっぱり、自分は内側の部分を歌いたいんだと思います。
ミックステープ『The World of Tiffany』を聴く(Spotifyを開く)
―ラップは、自分の内側を語るためのものである?
gummyboy:そうですね。ふたつモードがあるんです。なにも考えずに、ただ楽しいことを求めてやるときと、ひたすら自分のこと、自分がいま思っていることを、正直に歌詞にしていくときと。
―なぜ、gummyboyさんにとって自分の内側をさらけ出せるものはラップだったのだと思いますか?
gummyboy:ひとりでやっているからかな。作るときはひとりだから。「恥ずかしいけど、これはきっと、みんな思っていることだろうな」と思って、曲を作るんです。「いわなきゃ」っていう気持ちも少しあって。きっと、みんなこう思っているし、俺みたいな人もいっぱいいると思うから……だから、俺がいいたい。「暗い人代表」みたいな(笑)。
―gummyboyさんの曲は、「自分のことだけど、みんなのこと」という感覚があるんですね。
gummyboy:そうですね。「みんなのことだろうな」っていうのは、常にあります。
―1st EP『Ultimate Nerd Gang』の1曲目“Young Rich Nerd Gang”は、<俺たちみんなが地球にいる 俺たちみんなは宇宙にいる>という言葉から始まりますよね。gummyboyさんの曲は一貫して「独白」という側面が強いと思うけど、でも、「俺たち」を歌うところからgummyboyさんのラップは始まっている。そこが、僕としてはすごく印象的だったんです。
gummyboy:基本的に、みんな同じだと思っていて。もちろん違うんですけど、根本的なところは一緒というか。みんな優しいし、みんな嫌なやつだし……あんまり変わらないんだろうなって思う。子どもの頃からそう思ってきたなって思います。でも基本的には、どれだけ自分のことを正直にいえるか? だと思うんですけど。
『Ultimate Nerd Gang』を聴く(Spotifyを開く)
―正直さは、大事なことですか?
gummyboy:そうですね。俺も、人の正直な気持ちを聞きたいと思っているから。そういう音楽を聴くと、いいなと思う。
―これまで、gummyboyさんが「この表現は正直だ」と思った人というと、誰がいますか?
gummyboy:XXXテンタシオン(XXXTentacion)かな。それこそ、聴いたときに「俺のことを歌ってくれてる」と思いました。彼は自分のことを歌っているだけだと思うけど、すごく共感できた。XXXテンタシオンは、リリックが難しくないんですよね。悲しい、焦ってる、怒ってる……そういう、本当にただ、いま思っていることをシンプルに書いているような曲が多いし、音にもそれが表れているし。すごく好きですね。
XXXテンタシオン『17』を聴く(Spotifyを開く)
―特に言葉で、正直に自分を書くのって、難しいことだと思うんです。Twitterなんかをやってみても思うんですけど、どうしても、「こう見られたい」という脚色された自分像を作ってしまうもので。正直に自分を書くということに、gummyboyさんはどのように向き合っていますか?
gummyboy:俺、文章を書くのがめちゃくちゃ苦手で。作文とかは書けないんですよ。本を読むのも苦手だし。だから、簡単なことしかいえない。もちろん、まんま書くと、ダサいんです。でも、たとえダサくてもどれだけそのまま出せるか。どれだけダサいことをいえるかが大切。恥ずかしいけど、それもひとりでやっているからできるんだろうなと思います。
―どんなときにリリックは書かれるんですか?
gummyboy:曲を作るときにしか書かなくて。ラップをやり始めたとき、あらかじめ電車で書いたものを家で録ってみたんですけど、全然しっくりこなかったんです。俺は、書いたらすぐ録るのが一番いいんだなって思います。そうしないと、しっくりこない。トラックも、そのときに聴いて、歌ってみて、自然に感情を乗せることができるものがいいんです。いまやりたい感じのビートを選んだら、あまり繰り返して聴かないようにするんです。そのとき初めて聴いた、みたいな感覚が一番いいんですよね。
周りに人が多くなるにつれて、どんどん「自分だけのこと」に向き合ってく気がします。
―Mall Boyzの活動も含めて、どんどんと認知は増えている状況だと思うんですけど、周りの環境の変化は意識されますか?
gummyboy:あんまり実感はなくて。他の人がバズっているのを見る感じというか。
―どこか客観視しているんですね。そうはいっても、自分たちを取り巻く熱がなぜ生まれているのか、思い当たることもあるのでは?
gummyboy:Mall Boyzに関していうと、「いまの、自分たちの曲だ」と思ってもらえるんじゃないかっていう気持ちで作ったから。「俺らの世代の曲って、こういう感じだよね?」って。いままでのヒップホップのリリックとも違うと思うけど、でも、俺らみたいな人たちのリアルはこれだから、それをノリでやろうって、やった。だからかな……。
Mall Boyz『Mall Tape』を聴く(Spotifyを開く)
―いままでのヒップホップとの違いは、具体的にどんな部分にあるのだと思いますか?
gummyboy:……すごく薄くいうことになっちゃうけど、みんながイメージする「ヒップホップっぽさ」をやらないっていうこと。「ストリートでどうこう」とか、そういう話は、自分の生活には本当に関係がないから。俺はずっと一人だったから、「地元の友達」みたいな感覚もひとつもないし。それなら、それを歌う必要はなくて。本当に、自分たちの生活のまんまを歌っている。そこが違いだと思います。「Mall」っていうのも、自分たちが大切にしている感覚というか。本当にずっとモールにいるわけではくて、なにもないからこそ自分たちで楽しいことを作ったり立ち上げたりする「居場所」みたいなニュアンスで使っている言葉だし。
―そこに、上の世代への反発心はあると思いますか?
gummyboy:反発はないと思う。別に上の世代がどうとか、大人がどうとかは考えたことないから。俺は、昔から反発心とかないんですよ。学校の先生になにかいわれても、「たしかに。気をつけよう」とか思ってたし(笑)。いま楽しいことはこれだし、これしかやることがないから、やっているだけっていう感覚です。
―自分たちの盛り上がりに対して実感がないというのは、ちょっと意外でした。
gummyboy:……むしろ、周りに人が多くなってくるにつれて、どんどん「自分だけの時間が欲しいな」って思うことが多くなりました。いろんな人に会うけど、結局、曲を作るときはひとりだから。俺は、ひとりでいるのが好きなんだと思います。「ひとりでいたいな」って思う。
―子どもの頃からそうでしたか?
gummyboy:そうですね。小さい頃から、人見知りだし、基本的に他人全員好きじゃなくて。人に会うと、まず「どうせ、俺のこと好きじゃないだろうな」って思うんですよ。あんまりよくないことだと思うんですけど(笑)。いろんな人に会えば会うほど、「早くひとりになりたいな」って思う。集団に馴染めないというか、大体、外れるんですよね。うまくできない。ずっと、「もっと、うまくできたらいいのにな」って思っていて。……でも、最近は、前よりはいろんな人と話せるようになったかな。Tohjiのおかげもあって、いまは外の世界に触れてます。
―gummyboyさんは、Tohjiさんに勧められたのをきっかけにラップを始められたそうですけど、Tohjiさんと出会う前は、もっと閉じていたんですね。
gummyboy:めちゃくちゃ閉じていましたね。ちょっと外の世界を歩くだけでも怖いから、基本的に睨む、みたいな。人と会って、その人を見て、ちょっと話して間が合わないと、いづらくなって、すぐ疲れて、「この場所あんまり好きじゃないな」って思っちゃう。すぐに見切りをつけてしまうんですよね。
―Mall Boyzの面々は、間が合いますか。
gummyboy:そうですね。みんないいやつだし、いい意味で繊細だから好きだなって。性格だけじゃなく、ニュアンスやセンスも他の人たちより細かいと思う。そういう意味で、Mall Boyzはみんな、「細かさ」を気にしている気がします。たとえば、ギャグとか、すごい細かいことをやるんですよ。いきなり変な顔をすると、普通は誰も見てないんだけど、Mall Boyzのメンバーはわかってくれる(笑)。
―創作物だけじゃなくて、そういった日常のひとコマの細かさが大事?
gummyboy:そうですね。そっちのほうが重要かな。
―Tohjiさんと出会って、ラップを勧められて、なぜ自分はラップをやっていこうと思えたのですか?
gummyboy:……いまでも「自分でいいのかな?」って思っているんですよね。俺、人前に出るのが苦手で。見られる側になるとまったく思っていなかったんです。学校で発表するときも、顔が真っ赤になって喋れなくなるタイプだったんですよ。だけど、音楽はほぼ遊びみたいな感覚でやってきて。それは、Tohjiがいたからできた。自分でラップをやるって意気込んだんじゃなくて、友達んちに行って、遊ぶ。それが曲を作ることだったからいまがあります。
―じゃあヒップホップとの出会いもTohjiさんがきっかけだった?
gummyboy:いや、ヒップホップは高1くらいから聴き始めるようになりました。ヒップホップといっても、その頃はエミネムしか聴いていなかったし、ヒップホップってエミネムしかいないと思っていたんですけど(笑)。
ティファニーの柔らかさが、俺に合っているのかなって思った。
―(笑)。エミネムにはどのようにして出会ったのでしょう?
gummyboy:姉貴がいるんですけど、姉貴がエミネムのCDを全部持っていて。「これがヒップホップか」と思って、全部聴いて。でも、いろいろ調べてみたら、「ヒップホップって、他にもあんの?」みたいな(笑)。ちょっと調べたらウータン・クラン(Wu-Tang Clan)が出てきて、それを聴いたら本当にかっこよくて、そこから調べて、いろいろ聴くようになりました。
―エミネムは、歌詞の対訳を読んだりしていましたか?
gummyboy:いや、全然読んでなかったです。歌詞は全然わかんないけど、かっこいいなって思っていました。音がもう強いし、かっこいい。自分は昔からナヨいから、マッチョイズムに対する憧れもあったと思います。強いもの、男らしいものを見て、「いいな、かっこいいな」って思ってた。
―マッチョイズムに対する憧れは、いまでも残っているものですか?
gummyboy:ありますね。ずーっと憧れています。その憧れが、自分がヒップホップを好きになった理由として大きいと思います。最初はリリックとかも関係なく、ただ、強いものに憧れている感じでした。
―なるほど。でも、いまのgummyboyさんの音楽を聴いて、マッチョイズムを感じる人は、僕は少ないんじゃないかと思うんです。むしろ、人の繊細さや弱さを受け入れていくような表現を、いまのgummyboyさんはされているように思えます。その点はどうですか。
gummyboy:ずっとマッチョイズムに憧れ続けてはいるんですよ。けど、自分はそうじゃないってだけで、実際にはいろんなやり方があると思う。自分のヒップホップは、いまやっているような、自分の内側や弱さを歌うことなんだと思います。そこに違和感はないし、「俺のやつはこれ」っていう感じです。
―憧れではなくシンパシーを感じるものとして、最初に出会った音楽はどんなものでしたか?
gummyboy:これも姉貴が聴いていたから聴き始めたけど、アヴリル・ラヴィーンの最初のアルバム(『Let Go』 / 2002年)は、自分の生活に馴染むなっていう感じがありました。いまでも聴くけど、自分たちの曲に近いなと思います。
アヴリル・ラヴィーン『Let Go』を聴く(Spotifyを開く)
―最初のEPの『Ultimate Nerd Gang』というタイトルは、かなり象徴的ですよね。この世界に向けて自分をどう名づけるのか、といったところから出てきた言葉なのかなと思いました。
gummyboy:そのタイトルは、曲の雰囲気とかから、友達と考えたんです。『ジャンプアルティメットスターズ』(任天堂)っていう、『週刊少年ジャンプ』(集英社)のキャラがいっぱい出てくるゲームがあるんですけど、そういう感じ。そのときの自分に合うなと思ったんですね。そのEPは、自分がアニメのキャラみたいになった設定のEPなんです。
―アートワークもキャラクターっぽいですよね。なぜアニメキャラのようになったのでしょう?
gummyboy:その頃は、本当に誰とも会わなかったから。友達としか会わないし、曲を作っているか、アニメ見るか、みたいな生活を送っていたら、そうなったんですよね。
―自分で自分のことを「ナード」だと思いますか?
gummyboy:ナードというか、学校でのBチーム感というか、そういうものはずっとあります。自分はメインじゃないんだっていう。
―新作でもリリックに漫画『NARUTO』が出てきたりしますけど、『週刊少年ジャンプ』系の少年漫画はお好きですか?
gummyboy:好きですね。単純にバトルシーンが好きで、「かっこいいなあ」って思うんですよね。「俺もこうなりたいなあ」って。
―そこも、エミネムに対する憧れに近いのかもしれないですね。
gummyboy:そうかもしれないです。俺、漫画でも、絶対に主人公が好きなんですよ。「主人公になりたい」って思う。昔は、「自分は、そうなるんだろう」と思っていたんですけどね。「俺はナルトなんだ」くらいに思ってたし(笑)。
―『Ultimate Nerd Gang』という言葉は、いまの自分を表すには、どうですか?
gummyboy:いまは、あんまりしっくりこないかな。そのときは本当に制作過程もひとりだったけど、次のEP(『pearl drop』)で、また精神的に変わったというか、もうちょっとリアルになったと思う。作り方としても、外との関わり具合が多くなったので。
『pearl drop』を聴く(Spotifyを開く)
―今回の『The World of Tiffany』の作品タイトルは、どのようにして決めたんですか?
gummyboy:このタイトルは最後に決めたんですけど、ティファニーって、この、俺が腕につけているやつで(袖をまくり、ティファニーのブレスレットを見せる)。ティファニーって柔らかいイメージがあったりするじゃないですか。その柔らかさが、俺に合っているのかなって思って。
―マッチョイズムに対する憧れはあるんだけど、それとは違う、本来的にあるgummyboyさんらしさというか。
gummyboy:そうですね、柔らかさというか、丸っぽさというか。
―これまでの人生で、周りからの圧力として「男らしさ」を求められる窮屈さは、gummyboyさんは感じられてきた部分はあると思いますか?
gummyboy:……最近、思い出したことがあって。小学校のときに先生に当てられたんですけど、緊張しすぎて、赤面してただ立っていたんです。そうしたら、担任の先生が母親に手紙を渡して、「やめるようにいってください」って。「なんで、俺に直接いってくれないんだろう?」って思ったことがありました。
―なるほど。
gummyboy:なんだろう……無理あるじゃないですか、小さい頃から男らしく堂々とするとか。前に出るのは恥ずかしいし、……無理なものは無理だし。そういうときに窮屈さを感じてました。当時はただ違和感を受けることしかできなかったけど、いまだったら「その柔らかさが俺らしさだから」って納得できると思います。
―最後の“Tiffany”という曲には、どんな自分自身が描かれていると思いますか?
gummyboy:「いま」っていう感じ。いま思っていること。いまの自分の、一番深いところの曲です。ミックステープが完成してきたときにこの曲を「書かなきゃ」っていう感じがあったんですよね。忘れないように、いま、残しておきたいっていう感じがありました。
―曲を作ることは、記憶を残していくようなことでもある?
gummyboy:曲の作り方がそうだから。何日も前から用意するんじゃなくて、「いま」のノリとか思ったことを、ちゃんと残しておかなきゃいけないなっていう気持ちは、多かれ少なかれあります。
―そうしないと、いつか失われてしまうものだから……という感覚も、そこにはあるのでしょうか。たとえば“Tiffany”には、<周りにいるみんなとあとどれくらいいられるか少し考える>というリリックもありますね。
gummyboy:全員、ずっと一緒に行けるかどうかはわからないし、そういうことを考えると、寂しいなって思うし。……曲によって種類は違うけど、漠然とした不安感があって、それをリリックにして、曲にすることで、受け入れられる。そのためにラップしているっていう部分もあると思います。
―“Tiffany”もそうですけど、gummyboyさんの書かれるリリックには、「時間」や「時計」というモチーフが随所に出てきますよね。これはなぜなのだと思いますか?
gummyboy:ひとりでいることが多いから、時間の過ぎていくスピードには、人よりも敏感かもしれないです。例えば去年の年末から年始にかけてMall Boyzのツアーをやったんですけど、そのときはかなり変化がすごくて。ミックステープにはそのときの速さとか勢いを曲にしたものもあるし、時間の感覚が曲のインスピレーションになることが多いかもしれないですね。
gummyboyも出演する『CROSSING CARNIVAL'20』メインビジュアル(サイトを見る)
―眠れない夜にすごく時間の進みが遅くなる感覚と、みんなで遊んでいるときの楽しい時間があっという間に終わってしまう感覚……gummyboyさんは、そういう時間の感じ方の違いをとても敏感に捉えているんだなと、曲を聴いていて思ったんです。
gummyboy:……うん、そう伝わったのなら嬉しいです。俺、昔から寝つきが悪いんですよね。眠れないと考えごとをしちゃうから、そのときに考えたり感じたりすることは多いと思います。“Tiffany”は、「時間が長い」と感じたときに作った曲です。
―“Tiffany”のリリックの中で、<腫れもんみたいな俺らはいつまでも 変われないまま 光に手を伸ばす>というラインがとても美しいなと思いました。いま自分たちがやっていることは、そういうことなんだと思いますか?
gummyboy:そうですね。「外れものチーム」みたいなのが、頑張って、光に向かっている。そういう感覚はあります。
―今作はRyo Yoshiyaさんの撮影によるアートワークも素晴らしいですね。
gummyboy:俺もめちゃくちゃ気に入ってます。タイトルとgummyboyらしさを引き出せるような、柔らかい感じがいいなと思って、Yoshiyaさんと一緒に作りました。
―最後の質問でこれを聴くのもなんですけど、“hone”や“fuckin'boy”ではお金についてもラップされているじゃないですか。稼ぎたいという欲はありますか。
gummyboy:あります。お金、好きなんで(笑)。
- リリース情報
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- gummyboy
『The World of Tiffany』 -
2020年2月19日(水)配信
1. hone
2. fuckin'boy
3. SAKURAI SHO
4. 302
5. talk to you
6. thinking?
7. orange
8. heart interlude
9. Tiffany
- gummyboy
- イベント情報
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- 『CROSSING CARNIVAL'20』
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2020年5月16日(土)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-EAST、TSUTAYA O-WEST、TSUTAYA O-nest、duo MUSIC EXCHANGE、WOMB LIVE、clubasia、7th FLOOR出演:
曽我部恵一
吉澤嘉代子
君島大空
柴田聡子inFIRE
王舟(トリオ編成)
CRCK/LCKS
Lucky Kilimanjaro
betcover!!
YOMOYA
ISSUGI
ELLE TERESA
OMSB
Campanella
gummyboy
C.O.S.A.
JAZZ DOMMUNISTERS
仙人掌
Daichi Yamamoto
Dos Monos
dodo
FNCY
MARIA
and more料金:5,500円(ドリンク別)
- プロフィール
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- gummyboy (ぐみぼーい)
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2018年末、1st EP『Ultimate Nerd Gang』をリリース。直後Tohjiと共にMall Boyzとして『Mall Tape』を発表。収録された“Higher”が大ヒットとなり、2019年のヒップホップを代表する曲となる。Tohjiと共に超満員のO-EastやLIQUIDROOM、またUltra Koreaへの出演を果たし、その人気を確固たるものとした。2019年9月に2nd EP『pearl drop』。2020年2月には自身初のミックステープ『The World of Tiffany』をリリース。ハードなトラップだけではなく、叙情的なリリックでメロウな曲調までを自由に乗りこなし、独自のアーティスト像を確立している。ソロ活動を本格化させた2019年後半から勢いに乗り、いまその動きが注目されているラッパーの一人。
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