BiSHは止まることなく、果敢に進み続ける。バラバラの個性を持った6人が集まった「楽器を持たないパンクバンド」は、逆風にも力強く立ち向かっていく。8月4日にリリースされたBiSHのメジャー4thアルバム『GOiNG TO DESTRUCTiON』は、そんなグループのいまを感じさせる一枚だ。
昨年12月には国立代々木競技場第一体育館で約11か月ぶりの有観客ワンマン『REBOOT BiSH』を完遂。5月からは昨年から延期となっていたBiSH初の対バンツアー『BiSH’S 5G are MAKiNG LOVE TOUR』で全国のライブハウスをまわり、同時期には名古屋、大阪でもアリーナ規模のワンマン公演も行ってきた。ライブに集う「清掃員(=ファン)」と、対バン相手の歴戦の猛者のバンドたちとともに、コロナ禍で制限された会場でも、各地で確かな熱を生んできた。
「破壊」をテーマにした新作アルバムも、そんなライブの風景が思い浮かぶ。新作について、ライブについて、そしてそれぞれのソロや個人活動が活発になりつつあるタイミングだからこそ感じるグループのいまについて、メンバー全員に語ってもらった。
11か月ぶりの有観客ライブを振り返って。「BiSHがいるべき場所はここだって感じて、その感情を大事にしたいと思った。愛があふれた瞬間でした」
―まずは昨年12月の『REBOOT BiSH』のことから聞かせてください。11か月ぶりの有観客でのライブでしたが、どういう記憶が残っていますか?
セントチヒロ・チッチ(以下、チッチ):BiSHにとってライブは生きる場所だったんですけれど、それが途絶えてしまって。お客さんの前で歌うのが久しぶりだったので、どんな感じになるか自分でも想像もつかなかったんです。でも、なにかを思うより前に涙が出てきました。
いいライブがしたいと思ってたんですけど、それよりも感情があふれてきちゃう日だった。清掃員の顔が見えたときに「BiSHがいるべき場所はここだよな」って改めて感じて、その感情をすごく大事にしたいと思いました。愛があふれた瞬間でした。
モモコグミカンパニー(以下、モモコ):決まってから開催まで時間があったし、ライブ自体の尺も長かったんですけど、ほんとにその日は一瞬のようでした。これまで当たり前だったことが奇跡みたいなことなんだなって実感できた日でしたね。
リンリン:1年間ぐらいずっと無観客ライブばかりだったので、やっとお客さんに会えた瞬間は、それまでの1年間がなにもなかったように、一瞬でぎゅっと時が縮まった気がして。まぼろしみたいな体験だなって思いました。
ハシヤスメ・アツコ(以下、ハシヤスメ):無観客ライブのなかでも新しさや楽しさを見出したりもしていました。『REBOOT BiSH』は、リハーサルの時点で「これは泣いてしまうかも」って思ったんですけど、始まったら「ちゃんとやらなきゃ」ってスイッチが入りました。開催できてよかったっていうのが本当に一番でした。
アイナ・ジ・エンド(以下、アイナ):私は「やっと会えたね」って思って、すごくうれしかったし、泣きそうになりました。“オーケストラ”で私が歌ったときに、ファンの人たちがサプライズで赤いサイリウムを振って私の誕生日をお祝いしてくれたのも、コロナ禍で会えないのに清掃員同士が連絡をとりあってくれたんだって思って。かけがえのない時間だったなって思います。
アユニ・D(以下、アユニ):あの日は「これがライブだ!」って痛いほど実感しました。私たちも清掃員の人たちも会えなかった時間があって、いろんなことを辛抱して、いろんなことに気づいて、もがいて生きてきたと思うので。あのとき、あの場所で、お互いに生きていることを確かめあった。感情のぶつかりあいができて、すごく幸せでした。いろんなものを溜め込んでみんながたどり着いた場所だったので、特別な日になったと思います。
対バンツアーで受け取った、各アーティストからのさまざまな「愛のかたち」
―この取材をしている現在は対バンツアー『BiSH'S 5G are MAKiNG LOVE TOUR』の真っ最中です。取材時点では東京スカパラダイスオーケストラ、Creepy Nuts、04 Limited Sazabysとの対バンはまだこれからですが、印象的だった対バン相手や、ツアーを振り返っての記憶に強く残っているエピソードはありますか?
チッチ:今回のツアーの対バン相手は、ほんとに強者ばかりで。先輩たちと、同世代のかっこいいバンドと対バンさせてもらってライブを目の当たりにするたびに、毎回違うものを受けとっている感じです。
それぞれのバンドが、BiSHに対しても、いまその場所にいるお客さんに対しても、発する愛のかたちが全然違う。真っ正面から戦うのも愛だし、先輩として優しく見守ってくれたり、認めてくれたりするのも愛。いろんなラブのかたちをライブで体現してくださっています。私たちも、一歩ずつ階段を登っている、すごく大事な期間なんだと思います。
個人的にはDragon Ashさんとの2マンは念願だったし、歴史的な瞬間だと思っていて。Dragon AshさんもBiSHの“NON TiE UP”を一緒に歌ってくれたり、私たちが“天使ノロック”をカバーさせていただいたりもして、終わってからもすごい喜んでくださって。年が離れていても心が通じあっていると感じたのがすごく印象的で。「明日からも頑張れる!」ってめっちゃ思った日でした。
―チッチさんはDragon Ashの桜井誠さんと『スパイストラベラー』(フジテレビ系)というカレーの番組でずっとご一緒してますよね。そういう意味では、親近感もあったんじゃないでしょうか。
チッチ:そうですね。サクちゃんに関しては、もう相棒みたいな感じです(笑)。先輩なんですけど、壁もないし、居心地がいいし、すごく仲良しの人と対バンできているっていう感覚でした。Kjさんはずっと先輩として尊敬していて、対談とか個人的にもお話させていただいたりして、つながりはすごく感じているので。そういう面でも思い入れはありました。
―アイナさん、アユニさんは、どうでしょう?
アイナ:私は、氣志團さんとやったときに、終始「こんな対バンってあるんだ!」っていう驚きがありました。リハーサルでは一切素振りを見せなかったのに、本番でいきなり“プロミスザスター”と“One Night Carnival”を掛け合わせたような曲を披露してくれて。私たちのステージでも、“beautifulさ”でメンバー全員が衣装をそろえて出てきてくださったり、そういうサプライズにも本当に驚かされて。
対バンって戦いのようなイメージもあったんですけど、新しい対バンのかたちを教えてくださった感じがしました。「私たちはなにかできただろうか」と思うくらいいろんなものを与えてくださった。私もあんな先輩になりたいなって思いました。
アユニ:個人的に、ドミコさんのライブはずっと観たかったので、生で観られたのが感動的でした。二人なのに、二人とは思えないほどの音圧なんですよ。その技術にも感激したし、やっぱり音がめちゃくちゃかっこよくて。「こんなギター弾けたら楽しいだろうな」とか、音楽の楽しさを味わわせていただいた感じです。
あとはホルモン先輩も、ナヲさんがBiSHの衣装を着て“プロミスザスター”を一緒に踊ってくださったり、めちゃくちゃかっこよかったです。9mm Parabellum Balletさんも、トリビュートアルバム『CHAOSMOLOGY』(2020年)に私が好きな“Discommunication”という曲でBiSHで参加させていただいたので、それを初めて披露したり、9mmさんも“BiSH-星が瞬く夜に-”をアレンジして弾いてくださったりして。ほんと、全部それぞれ特別だったなって思いました。
―モモコさん、リンリンさん、アツコさんはいかがでしょうか。
モモコ:ヤバイTシャツ屋さんは昔からずっと聴いていて。フェスで一緒になったりはしていたんですけれど、今回“あつまれ!パーティーピーポー”でコラボできたり、ヤバTさんもサプライズで演奏してくれたりとか、とても楽しかったです。機会あればまた一緒にやりたいなと思いました。
リンリン:まだこれからですが、Creepy Nutsさんとの対バンが楽しみです。ラジオもずっと聴いているし、『たりないふたり』という若林(正恭)さんと山里(亮太)さんのイベントにCreepy Nutsのお二人が出てきたのを見たときも、すごく感動したので。
ハシヤスメ:私はサンボマスターさんですね。いろんなライブが中止になった去年の6月に『CDTV ライブ!ライブ!』(TBS系)でサンボマスターさんと一緒に“できっこないを やらなくちゃ”をセッションさせてていただいたんです。そこでめちゃめちゃサンボマスターさんの曲に救われて。
これまでにもなにかと一緒になることが多かったので、それを経てようやくお客さんの前で“できっこないを やらなくちゃ”ができた。それが印象に残ってます。あとはNOT WONKですね。新メンバーとして、数分だけ加入させていただいたんです(笑)。
アユニ:NOT WONK、めっちゃかっこよかったです。
チッチ:NOT WONKもBiSHが好きだって言ってくれていたので。同世代でいちばんかっこいいと思っているバンドだし、しかもアユニの故郷の札幌で苫小牧のNOT WONKとライブできたというのも嬉しかったですね。全部が大事な対バンでした。
―スペシャルなコラボもあるし、相手のステージングから学ぶこともあるし、一つひとつの対バンで得られるものも大きかったんじゃないかと思います。
チッチ:本当に学びばっかりでした。氣志團先輩はエンターテイメントとしてのステージを見せてくれたし、ドミコとかNOT WONKは、自分たちを貫いてぶつかってくるかっこよさとか、優しさだけが愛じゃないということを教えてくれました。ゲスの極み乙女。さんみたいに、それぞれの輝きが放つかっこよさっていうものも教えてもらったし。
モモコ:普段は見れないアーティストさんのステージの裏側を見ることもできたのも大きかったです。こんなふうに本番前に身体を柔らかくしたり、発声練習をしているんだ、とか。
「BiSHがやってきたことは、当たり前を覆して、固定概念から脱却するようなことだったと思っていて」(チッチ)
―新作アルバム『GOiNG TO DESTRUCTiON』についても聞かせてください。シンプルな感想として、非常にライブ映えする曲が詰まっているし、すごく生々しい迫力のある一枚だと感じました。みなさん、アルバムが出来上がってどんな手応えがありますか?
BiSH『GOiNG TO DESTRUCTiON』を聴く(Apple Musicはこちら)
チッチ:このアルバムはテーマが「破壊」なんですけど、BiSHが結成からやってきたことって、当たり前を覆して、壁をぶち壊して、固定概念から脱却するようなことだったと思っていて。そうやって自分の道を行く生き方を提示しているアルバムだと思います。
新録した8曲の歌詞も、メンバーそれぞれの「破壊」に対する捉え方もが表現されていて。破壊によって生まれる優しさもあるし、怖さもあるし、気持ちよさもあって。ライブで体感したときにいろんな感情になれるアルバムだと思うので、いつか一緒に歌ってブチ上がりたいですね。
モモコ:BiSHは活動7年目のいまこそ「破壊」という言葉が似合うグループだと思っていて。これまでにいろんなことを経験してきたけれど、ここで一度衣装も真っ白になって、これまでのBiSHをぶち壊して、それでまた一歩進めるアルバムになったんじゃないかなって思っています。
リンリン:「破壊」というテーマは、「新しい周期のはじまり」みたいなイメージがありました。すごく勢いよく回っている歯車のイメージが頭のなかにあって。レコーディングではいつも以上にライブを想像して、声が枯れてもいいって思うぐらい叫んで、自由に、好きなように、いろんな歌い方にチャレンジしました。
アユニ:私も、「破壊=創造」「終わり=始まり」みたいなイメージです。私たちはずっと、常識を覆したいとか、なにかをずっと壊し続けたいって思ってやってきてて。
でも、壊すための勇気とか、破壊するためには不安もたくさんある。そういう、弱さや不器用ささえも肯定してくれるような言葉たちがこのアルバムにはたくさん詰まっていると思います。『GOiNG TO DESTRUCTiON』っていうタイトルだけど、<こわせないんだ>って歌っている曲も入っていたり。そういう、生きているなかでの世の中の不条理も込められていて。現実味が強いアルバムだと思います。
ハシヤスメ:前作の『LETTERS』はすごく優しさの詰まったアルバムだったけど、今作のような強さもBiSHだし、『LETTERS』の優しさもBiSHで。そのどちらも伝えられるのは、我々にしかできないと思っています。
アイナ:私も、ミックスが終わった段階で全曲聴いたときに、すごく優しい曲たちだなって思いました。メンバーが作詞した曲も、強めの言葉はあるけど、あたたかくて。一人ひとりが大人になって、優しさを心に持っていて、それを察する力も芽生えてきたんだなって思いました。
それぞれのお気に入り曲を紹介。「私にとっては、BiSHは真面目に不真面目なことをやる仲間」
―新録曲ではメンバーのみなさんが歌詞を書き下ろした曲もありますが、その曲、もしくはみなさんにとっての思い入れの強い楽曲についても教えてください。
アユニ:私は新曲の、自分が作詞した“Beginning, End and Beginning”っていう曲で。これは、創造と破壊についてのことを、BiSHというグループに焦点を当てて、この6人で歌いたくなるものを書いたんです。始まる歴史があったら、必ず終わる歴史がある、けれどまたそこからなにかが生まれるっていう。だから不安もあれば楽しみもあるということを全部書き留めた歌ですね。
BiSHが生まれた場所が道玄坂だから<道玄坂のワンルーム>という歌詞もある。だから、この6人の声が入って完成した曲を聴いたときに、すごく感動しました。これが私の求めていたものだと思うので、ぜひ聴いてほしいです。
BiSH『GOiNG TO DESTRUCTiON』収録曲“Beginning, End and Beginning”を聴く(Apple Musicはこちら)
アイナ:今回のアルバム、好きな曲がたくさんあるんですけど、自分が作詞した“NATURAL BORN LOVERS”っていう曲は、あんまり精神的によくないときに書いた曲で。そういうときって、人の優しさに触れると泣いちゃうんですよね。そのときに「人の愛は人を生かすし、殺す」って思って。
だから、私は人の愛によって日々生かされて、殺されて、毎日生まれ変わっているんだなって思ったんです。そこから、優しく人に接して、私も人のことを生かし続けられるようになりたいって思ったのがきっかけで書きました。いつも周りにいてくれる人を大切に、優しくして、感謝の気持ちを伝えたいです。
BiSH『GOiNG TO DESTRUCTiON』収録曲“NATURAL BORN LOVERS”を聴く(Apple Musicはこちら)
リンリン:私は、“CAN WE STiLL BE??”をレコーディングで歌ったときに、松隈さんが「もともとリンリンの曲だったかのように、めちゃくちゃ合ってる」って言ってくれて。あと、“STAR”で初めて叫び混じりの歌い方をやってみてうまくいったので、そこからいろんな歌い方に挑戦できて、気に入っています。
BiSH『GOiNG TO DESTRUCTiON』収録曲“CAN WE STiLL BE??”を聴く(Apple Musicはこちら)
ハシヤスメ:今回のアルバムはめちゃめちゃお気に入りが多くって、ひとつに絞るのが難しいんですけど。デモの段階から“MY WAY”がすごく好きなんですよね。自分を肯定してくれるような優しい曲ですし、サビのアユニの声がすごく好きでお気に入りです。
BiSH『GOiNG TO DESTRUCTiON』収録曲“MY WAY”を聴く(Apple Musicはこちら)
モモコ:「破壊」というテーマを聞いたとき、大きな建物が壊れたりガラスが割れたりするようなイメージだけじゃなく、泡がパチンと弾けるようなイメージが浮かんだんです。これも破壊なのかなって。そこから書いていったのが、“WiTH YOU”です。
あとは“BROKEN”がすごく気に入ってます。渡辺さんが書いた歌詞ですけど、<伝えたい言葉は / 全部宙をまってしまう>とか<こわせないんだ>とか、そういう葛藤するような気持ちのときがあるなって思って。
BiSH『GOiNG TO DESTRUCTiON』収録曲“WiTH YOU”を聴く(Apple Musicはこちら)
チッチ:“狂う狂う”っていう曲は、いま、こうやって生きているときに思うことを、とりあえず本質的に書いてみようと思って。私たちが生きているいまって、あらゆる情報が操作されて、惑わされて、地球がコントロールされてるなって思うんです。
そのなかでは、もちろん真面目にやるのは大事ですけれど、考えすぎてもしょうがないんじゃないかって。どれくらい不真面目になるか、羽目を外して生きたいように生きてみるのもいいんじゃないの? って。そういう、あまり堅苦しくない歌です。
BiSH『GOiNG TO DESTRUCTiON』収録曲“狂う狂う”を聴く(Apple Musicはこちら)
チッチ:私にとっては、BiSHは真面目に不真面目なことをやる仲間なので、そういう自分のなかのジャンキーな部分を書いたという感じですね。
対照的に、モモコが言っていた“BROKEN”は、自分のなかでいちばん大事にしたい部分の曲です。愛こそすべてだって思うんですよ。でも、大事なものほど壊れるのが怖くて、言いたいことを言えなくて、ずっとモヤモヤしたりする。そういう、すごく人間味ある曲だと思うので、いちばん好きですね。あと、<ちんちんちちーん>の曲(笑)。
BiSH『GOiNG TO DESTRUCTiON』収録曲“BROKEN”を聴く(Apple Musicはこちら)
―“I have no idea.”ですね。
チッチ:そうです。これもめっちゃ好きです。このアルバムにこれがなかったらダメだと思うし、ライブでいちばん盛り上がると思います。
BiSH『GOiNG TO DESTRUCTiON』収録曲“I have no idea.”を聴く(Apple Musicはこちら)
「BiSHはそれぞれの戦い方で戦って、違う光り方をして、集まったときにもっと光る」(チッチ)
―2021年はBiSHとして充実したライブの日々を過ごしてきたと思うんですが、その一方で、それぞれのソロや個人の活動の幅も広がってきたと思うんです。そことグループとの関係やバランスについても教えてください。まず、アユニさんはPEDROとしてのバンド活動もかなり活発に動いてきたと思うんですが、どうですか?
アユニ:私は器用じゃないので、本来の自分とPEDROのアユニ・DとBiSHのアユニ・Dを使い分けることは、そもそもできなくて。結局ひとりの人間がやっているので、よくも悪くもBiSHで培ったことや気づいたことや学んだことは全部PEDROでも出るし、PEDROで感じたことは全部BiSHにも出るし、という感じです。
でも、自分がソロをやって気づいたのは、BiSHでは、たとえばチッチがみんなを引っ張ってくれたりとか、もともとの性格に伴った役割が自然とあって。それぞれの足りない部分をお互いに補って6人でやってきていたんです。
でも、ソロではひとりで背負うものが大きくなるし、覚悟をしなきゃいけないことも増えてくる。だから、自分的には、パフォーマンスもライブに向かう姿勢も、昔より強くなってるんじゃないかなって思います。みんなも、それぞれこの数年間で音楽を好きになってきたので、音楽を本能で楽しむことができるようになったんじゃないかなって。
―アイナさんはソロアルバムのリリースもありましたが、どんな変化がありましたか?
アイナ:私は、本当の自分は、結構へなへなしている人間で。BiSHにいるときは、ダンスくらいはがんばろうって思って、振り付けだけは一生懸命やってきたつもりなんです。
でも、ソロになると、アユニが言っていたみたいに、曲も作って、ライブもして、自分が全部やらなきゃいけない。へなへなしていたらダメなんだなって思って。ヒリヒリした時間を過ごしながら、少しずつ強くなってきたかもしれない。まだがっつり変わった感じはしないんですけれど、少しずつ、無理せず頑張っていこうと思っています。
―リンリンさんはBiSHと自分個人の活動については、どんな風に考えてますか?
リンリン:まったく別ですね。そこはずっと変わらずです。
―アツコさんはいかがですか。ドラマやCMの撮影もありましたが。
ハシヤスメ:私はみんなとこうしてグループでいるのも好きですし、ひとりでなにかをするのも苦ではなくて。なのでドラマやCMの撮影も、のびのびとできたと思います。演技の経験は、レコーディングにも活かせたらいいなと思ってます。
―モモコさんはエッセイ集の出版もあり、活字を通して自分と向き合う経験があったと思います。
モモコ:これまでBiSHで、6人のなかのひとりとして突っ走ってきて。去年はエッセイ集を出したこともあるんですけど、コロナ禍でBiSHの活動が止まって、ライブができなかったときに、やっと自分がどんな人間かを見つめ直すことができたんです。
BiSHでテレビに出たり、歌ったり踊ったり、書くこともしたり、みんなではしゃいだり、いろんなことをしたけど、自分が一番好きなことや得意なことはなんなのか。自分はどんな性格なのか。いろんなことを考えた期間でした。そのなかで「言葉で伝える」ことが一番しっくりくると再認識しました。だから、もうちょっとがんばってみようかなと思いました。
―チッチさんはいかがでしょうか。いろんな人とコラボしていた印象ですが。
チッチ:私はいままで、人と人とのつながりを大事にしたいって思ってやってきたので、それがちゃんとつながった感覚があったのが嬉しかったです。
Kjさんが誘ってくれてチャリティーソング(ライブハウス支援「LIVE FORCE, LIVE HOUSE.」で発表した“斜陽”)を歌わせてもらったりとか、PORINちゃん(Awesome City Club)と一緒にお洋服を作ったりとか、地元八王子のライブハウスのためのオムニバスアルバム(『八王子NOW Alltime』)のジャケットをデザインさせてもらったり、突然少年の“アンラッキーヤングメン”のMV監督をさせてもらったり。『スパイストラベラー』もそうだし、全部つながりがある仲のいい人たちと一緒にお仕事ができたなって思ってて。それが、すごいうれしかったんですよね。
自分が大事にしてきたものが間違ってなかったんだなって思ったし、いまこうやってみんなで一緒にいるときにも、自分が大事にしてきたこと、BiSHが大事にしてきたことを、ちゃんと思い返して忘れずにやっていきたいなと思っています。自分たちの信じているものを貫くのがBiSHだと思うので、自分に正直に生きたいなって思いました。
―それぞれのメンバーの動きと、それが一つになったBiSHというグループのいまについては、どんな風に感じていますか?
アユニ:性格がそれぞれ違って、やりたいことも好きなものもそれぞれ違うので、こんなにバランスよく、まったく別のもので光っているグループって、あんまりないんじゃないかなって思います。それぞれみんな自分にないものを持っているし、6人集まったときも補い合っていて。私も支えてもらっているし、他の人たちが苦しんでいたら支えたいなって思います。みんなすごいなって、いつも尊敬しています。
チッチ:個人の仕事は、一人ひとりそれぞれのカルチャーや生きてきた歴史があるうえで、なにかが生まれていると思うんです。だから、みんなが好きなことをできているのがいいなって思います。
BiSHって、『アベンジャーズ』みたいなグループになれたらいいなと思うんです。それぞれがそれぞれの戦い方で戦って、違う光り方をしていて、集まったときにもっと光るみたいなグループになりたいです。
- リリース情報
-
- BiSH『GOiNG TO DESTRUCTiON』初回生産限定盤(CD+Blu-ray Disc+PHOTOBOOK)
-
2021年8月4日(水)発売
価格:11,000円(税込)
AVCD-96748/B・“MTV Unplugged: BiSH”には、メンバーによる裏話満載のオーディオコメンタリー収録
・100P豪華写真集付属
・なんじゃこりゃ~箱仕様
※銃で撃たれたような穴が開いている仕様[CD]
1. CAN WE STiLL BE??
2. in case...(TVアニメ『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』オープニングテーマ)
3. STACKiNG(TVアニメ「キングダム」第2クール オープニングテーマ)
4. BE READY(スマホゲーム「ラグナドール」主題歌)
5. ZENSHiN ZENREi(フジテレビ系「レンアイ漫画家」オープニングテーマ)
6. NATURAL BORN LOVERS
7. I have no idea.
8. WiTH YOU
9. 狂う狂う
10. MY WAY
11. Beginning, End and Beginning
12. STORY OF DUTY( [Call of Duty:Mobile]タイアップソング)
13. BROKEN
14. STAR (読売テレビ「ボクとツチノ娘の1ヶ月」主題歌)[BD]
1. オーケストラ
2. VOMiT SONG
3. I’m waiting for my dawn
4. SMACK baby SMACK
5. DiSTANCE
6. NO SWEET
7. リズム
8. 遂に死
9. The Man Who Sold the World
10. FOR HiM
11. HiDE the BLUE
12. スーパーヒーローミュージック
13. BiSH-星が瞬く夜に-
MUSiC ViDEO
STORY OF DUTY
STAR -LYRiC ViDEO-
STACKiNG
BE READY
STACKiNG -MAKiNG MOViE-
BE READY -MAKiNG MOViE-
- BiSH『GOiNG TO DESTRUCTiON』破壊盤(CD)
-
2021年8月4日(水)発売
価格:3,300円(税込)
AVCD-96749・メンバー1名の直筆サイン入り
・世界に一つだけの破壊仕様
※ケースにヒビ割れの特殊加工
・ピクチャーレーベル仕様1. CAN WE STiLL BE??
2. in case...(TVアニメ『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』オープニングテーマ)
3. STACKiNG(TVアニメ「キングダム」第2クール オープニングテーマ)
4. BE READY(スマホゲーム「ラグナドール」主題歌)
5. ZENSHiN ZENREi(フジテレビ系「レンアイ漫画家」オープニングテーマ)
6. NATURAL BORN LOVERS
7. I have no idea.
8. WiTH YOU
9. 狂う狂う
10. MY WAY
11. Beginning, End and Beginning
12. STORY OF DUTY( [Call of Duty:Mobile]タイアップソング)
13. BROKEN
14. STAR (読売テレビ「ボクとツチノ娘の1ヶ月」主題歌)
- BiSH『GOiNG TO DESTRUCTiON』DVD盤(CD+DVD)
-
2021年8月4日(水)発売
価格:6,380円(税込)
AVCD-96750/B[CD]
1. CAN WE STiLL BE??
2. in case...(TVアニメ『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』オープニングテーマ)
3. STACKiNG(TVアニメ「キングダム」第2クール オープニングテーマ)
4. BE READY(スマホゲーム「ラグナドール」主題歌)
5. ZENSHiN ZENREi(フジテレビ系「レンアイ漫画家」オープニングテーマ)
6. NATURAL BORN LOVERS
7. I have no idea.
8. WiTH YOU
9. 狂う狂う
10. MY WAY
11. Beginning, End and Beginning
12. STORY OF DUTY( [Call of Duty:Mobile]タイアップソング)
13. BROKEN
14. STAR (読売テレビ「ボクとツチノ娘の1ヶ月」主題歌)[DVD]
1. オーケストラ
2. VOMiT SONG
3. I’m waiting for my dawn
4. SMACK baby SMACK
5. DiSTANCE
6. NO SWEET
7. リズム
8. 遂に死
9. The Man Who Sold the World
10. FOR HiM
11. HiDE the BLUE
12. スーパーヒーローミュージック
13. BiSH-星が瞬く夜に-
- BiSH『GOiNG TO DESTRUCTiON』CD盤(CD)
-
2021年8月4日(水)発売
価格:3,300円(税込)
AVCD-96751[CD]
1. CAN WE STiLL BE??
2. in case...(TVアニメ『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』オープニングテーマ)
3. STACKiNG(TVアニメ「キングダム」第2クール オープニングテーマ)
4. BE READY(スマホゲーム「ラグナドール」主題歌)
5. ZENSHiN ZENREi(フジテレビ系「レンアイ漫画家」オープニングテーマ)
6. NATURAL BORN LOVERS
7. I have no idea.
8. WiTH YOU
9. 狂う狂う
10. MY WAY
11. Beginning, End and Beginning
12. STORY OF DUTY( [Call of Duty:Mobile]タイアップソング)
13. BROKEN
14. STAR (読売テレビ「ボクとツチノ娘の1ヶ月」主題歌)
- プロフィール
-
- BiSH (ビッシュ)
-
アイナ・ジ・エンド、モモコグミカンパニー、セントチヒロ・チッチ、 ハシヤスメ・アツコ、リンリン、アユニ・D からなる“楽器を持たないパンクバンド” 。2015年3月に結成、2016年5月avex traxよりメジャーデビュー。全国のライブハウスから横浜アリーナ、幕張メッセ展示場、大阪城ホール等での大型アリーナでワンマンライブを開催。収益全額を全国のライブハウスに寄付する初のベストアルバム「FOR LiVE -BiSH BEST-」、メジャー3.5thアルバム「LETTERS」が連続でアルバムチャート1位を獲得。2020年12月24日に332日ぶりとなる有観客ワンマン”REBOOT BiSH”を代々木第一体育館にて開催した。2021年は、全12組との超豪華対バンツアーの実施や、9月には仙台で開催される、「BiSH SPARKS “Get out of boredomZ” EPiSODE 1」セキスイハイムスーパーアリーナ公演の開催が決定している。各メンバーの個性豊かなソロ活動も積極的に展開中。
- フィードバック 2
-
新たな発見や感動を得ることはできましたか?
-