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3度の飯より仕事が好き!仕事は断らないプロ社畜です。ブラック企業や様々なダーティー&ハードワークを経て、2016年4月から株式会社AbemaTVに入社。やっと試用期間が終わりました。好きな言葉は「最低でもランナーを進めろ」。好きなプロ野球選手は、ブライアント(近鉄)。
しばらく時間が空いたこの連載。その間に恩納さんは株式会社AbemaTVに転職され、現在は同社が立ち上げたインターネットテレビ局『AbemaTV』を中心に動画に関するニュースを扱うWEBメディア『AbemaTIMES』の編集者に。
そして今回、2人目のゲストは尾田和実さん。尾田さんは、メディアジーンにてWEBメディア『GIZMODO』の3代目編集長を務め、その後サイバーエージェントに転職。同社の『エディトリアルアドスタジオ』の初代スタジオ長や、カルチャーメディア『SILLY』を立ち上げるなど、精力的にご活躍中です。
WEB編集に長年携わってきたお二人から、編集者はどんな人が向いているのか、採用面接時で見ている3か条など、いろいろと暴露していただきました。
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<前編はこちら>
編集って職業はリベラルで良い。能力さえあればいい。
尾田:音楽がカルチャーの中心から離れていった時にちょっと燃え尽き感もあって。その時にインフォバーンの小林さん(小林 弘人氏:インフォバーン代表取締役CVO)に出会った。「これからはITだよ」とか言われちゃって。
あと、どうしても小林さんの下で働いてみたかった。そん時も短パン、色眼鏡みたいなサングラスだったね。「はい、合格」みたいな(笑)。
恩納:すげえなあ……。小林さんってどんな感じなんですか?
尾田:基礎は小林さんに徹底的に教えられたよ。赤入れも凄かったけど、メチャクチャなダメ出し、無茶ブリも言ってきた。スティーブ・ジョブズみたいだったよ(笑)。
恩納:ギズ初代編集長のいちるさんも小林さんがピックしたんですよね?ギズは雰囲気とか文体とか……革新的でしたよね。
尾田:そうそう。編集経験なかったのにいきなり抜擢してね。
恩納:ただの海外サイト翻訳だとここまで成功してないですよね。今のBuzzFeedとかも面白いのが、あっちのカルチャーとか雰囲気を消化しつつ、日本独自のやり方をミクスチャーしてるじゃないですか。これ、すげえ難しいんですよね。
尾田:そうだね。でも最初は非難轟轟だったから。原文と違う!とかお叱りを(笑)。でもさ、そのまま訳したって面白くないじゃん?外人のジョークなんてさ。
あと、「マス媒体を引っ掻き回してやろう」っていう感じも面白かった。
恩納:それで巨大媒体になってるってのが凄いすよね。
尾田:マネタイズもしっかりできたしね。いちるさん、2代目・大野君ときて、大野君が辞めちゃったから、オレが取締役兼ディレクターから編集長も兼務して。ある程度の規模に行かせられたから良かった。PVもマネタイズも上手くいってるネットメディアってあんまりないから。
恩納:「代打、俺!」古田敦也じゃないですか!尾田さんってチーム作りとか、いつもやるメンツとかいるんですか?
尾田:いや。とにかくその媒体やるごとに新しい人をどんどん使いたいタイプ。
恩納:へー!これは新しい人にとってはチャンスですね!じゃあガンガン募集中ってことですね。これ見てる人は記事書いて飛び込めばいいですね!
CINRA:恩納さんはどうですか?
恩納:オレはずっと同じ軍団ですね。完全なるTRIBEですよ。時々新しいメンバーが入ってくるけど、滅多にない。
尾田:そこもヒップホップ的なんだよね。ファミリーで動くっていう。
恩納:なんていうんですかね……ド派手にかまそうぜ 誰のシマだか知らねえが 荒らそうぜみたいな。俺とお前と 他の兄弟 ガッチリぶん取るぜ でかい商売的な。
尾田:言語化できない所での共通項があるから手放せないってことだよね。
恩納:そうです!カッコよくまとめてくださった(笑)!
尾田:あと、編集って職業はリベラルで良いよね。男女差がないのが良いし、能力さえあればいい。
CINRA:いま、20代女子に編集職は大人気です。
尾田:男は淘汰されてるんじゃない?みんな真面目だしすぐ諦めちゃうし。女性って超働くしね。言われなくてもドンドンやっちゃうし。
何を基準に採用するか? 編集者に必要な3か条
CINRA:ストレートにお聞きしますが、どういう人が編集って向いてますか?
尾田:さっきも言ったけど良い意味でいい加減な奴。あと、何においてもあんまりビビらない奴。取材対象者とか有名ライターさんとか取り合ってくれないんじゃないか?とかあんまり思わない方がいいし。
恩納:分かります!俺も尾田さんとか古川さんを茶に誘ったり、中川(淳一郎)さんとか嶋(浩一郎)さんに背伸びして相談したりしますけど、そうさ、100%勇気ですから。
怒られてもいいから若いうちはレジェンドに玉砕していくのって大事ですよね。
尾田:そうそう。あと、赤入れとか修正とかも無茶ブリを平気で受け流して前に進められる人。だからやっぱり真面目な人って向いてないんだよ(笑)!
あと、オリジナリティかな。今の第2、3世代の子達って器用だし、その媒体に合わせて○○っぽい感じみたいに書けちゃうんだよね。でも、そうじゃなくて大事なのは自分の言葉で書けるようにすること。
恩納:いま尾田さんが言ってること、他のところで使おう。
尾田:編集者の面談はかなりの数やってるんだけど、1000人ぐらいは楽勝で見てる。何を基準にとるかって難しいじゃん?俺、採用シートとか一切信用してないから(笑)。
俺の経験値でいうと、3つだけ見るポイントがあって、
1.端折る
2.偽る
3.こじつける
この3つがうまい人は編集に向いてると思う。
1の「端折る」は、いらない部分をばっさり切れる、見出しですべてのエッセンスを乗せられる、とかね。
2「偽る」は、嘘・ねつ造はもちろんダメなんだけど、素材を成型して良いものにできるって意味ね。写真とかもそうだよね。本質を見据えた上で、よりよく見せるってことね。
3「こじつける」は、ドンドン脱線してもいいから企画力だね。一元的にしか見れない人はダメ。シナプスみたいに繋がっていかなきゃね。
恩納:俺が言ったことにしてもらっていいですか?
尾田:あと、仕事をやる理由って色々あると思うんだけど、俺はムーブメントとか熱狂の中心にいたいってのはある。中毒っていうか。
狙ってそこに来たわけじゃないんだけど 盛り上がってる所のド真ん中にいれるキャリアを踏めてるってのはラッキーだよね。
あと、売れてる状態って売れた人じゃなきゃ分からない。売れるのには必ず理由があるから。それを毎回経験できているのはラッキーかな。だから今、俺らAbemaTVの近くに入れてラッキーだよね。
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