夢を形にした人たちが語る「1000日あれば大抵のことはできる」

国内外でボーダレスに活躍する人は、1000日をどう過ごす?

1000日後の自分の姿を想像したことがあるだろうか? 東京2020オリンピックの開催まで、残り1000日となった2017年10月28日を記念するイベントがアシックスにより行われた。東京・浅草のWIRED HOTEL ASAKUSAで『1 day for 1000days』と銘打ち、「日本が世界からもっとも注目される『1000日後の未来』に、あなたは何をしていますか?」をテーマに集うトークイベントを開催。国内外でボーダレスに活躍する5人の登壇者が、「これまでの1000日」と「これからの1000日」について、思い思いに語った。

左から:MCを務めたオータム・スミス、冨山亮太
左から:MCを務めたオータム・スミス、冨山亮太

最初に登壇したのは高橋正和。「無類の銭湯好き」の彼は、銭湯ウェブメディア「東京銭湯 - TOKYO SENTO -」の編集長を務める。現在、20年前の4分の1と減少の一途を辿る銭湯の魅力をより多くの人たちに伝えるため、「銭湯をカッコよく」をテーマに、SNSの活用や人気コンテンツとのコラボなどを積極的に実施している。

「これからの1000日は、海外に向けても『銭湯の楽しさ』を発信していきたい」と語る彼。あるアンケート調査によれば、外国人が「日本に来てやりたいこと」と「日本でやって満足したこと」、それぞれの3位に「温泉入浴」がランクインされているという。入浴は時差ボケにも効くとされており、「文化体験」としての入浴の魅力を、今後もアピールすると意気込みを語った。

銭湯ウェブメディア「東京銭湯 – TOKYO SENTO -」編集長の高橋正和(詳細を見る
銭湯ウェブメディア「東京銭湯 – TOKYO SENTO -」編集長の高橋正和(詳細を見る

続いて、スペシャリティーケーキデザイナーとして活躍する鈴木ありさが登壇。ニューヨークで製菓、ケーキデコレーションの技術を本格的に学んだ彼女は、2014年に帰国するとすぐに起業。現在は渡辺直美や黒柳徹子、レスリングの吉田沙保里選手ら著名人をはじめ、数多くの企業や個人に向けて、「パーソナルストーリーの詰まったケーキ」を提供しているという。

近々国際結婚する彼女は、「日本は、アートにしてもフードにしても、自分たちで思っている以上に海外で注目されています。それはとても嬉しく光栄なことです」と述べ、さらに、これからの1000日を「ケーキで日米を繋ぎたい」と語った。

スペシャリティーケーキデザイナーの鈴木ありさ
スペシャリティーケーキデザイナーの鈴木ありさ

カナダ出身の三味線奏者・中村ノルムは、吉田兄弟の奏でる津軽三味線の音に感銘を受け、彼らの弟子になることを決意。その3年後には日本へ移住し、願いを叶えてしまう。現在は浅草に在住し、吉田兄弟の兄・良一郎の弟子として、津軽三味線の演奏と動画コンテンツの制作に注力しているという。「これからの1000日は、三味線と映像撮影技術の両方を磨くこと、自作の映像作品を増やすこと、交友関係を広げてより良い日々を過ごすことを目標にしたい」と語った。

吉田兄弟の弟子で、三味線奏者の中村ノルム
吉田兄弟の弟子で、三味線奏者の中村ノルム

1000日あれば20キロ痩せられる

他にも、「予想外のところにアートを届ける」という理念のもと、ドイツ大使館の壁に落書きを施したり、他企業のオフィス内に社員には秘密で巨大な壁画を作ったりするなど、東京を拠点としながら25年以上の活動実績を持つクリエイティブディレクターのダニエル・ハリス・ローゼンや、弟とともにデニムブランドを立ち上げ、「必要とする人に必要な分だけ作る」というユニークな販売方法を行なう山脇耀平が登壇。さらにイベントの合間には、白藤ひかり、武田佳泉の二人により結成された津軽三味線デュオ、輝&輝(きき)によるミニライブが行われ、会場を大いに沸かせた。

クリエイティブディレクターのダニエル・ハリス・ローゼン
クリエイティブディレクターのダニエル・ハリス・ローゼン

弟とともにデニムブランドを立ち上げた山脇耀平
弟とともにデニムブランドを立ち上げた山脇耀平

津軽三味線デュオの輝&輝
津軽三味線デュオの輝&輝

今回のイベントに参加し、個人的に最も印象に残ったのは、三味線奏者・中村ノルムの言葉だった。

「私は1000日で吉田兄弟の弟子になり、一生懸命練習して1000日後には、津軽三味線世界大会にて特別賞を受賞しました。そして、ダイエットを決意して1000日で20キロも痩せられたんです(笑)。何かを本気でやろうと思えば、1000日あれば大抵のことはできますよ」

東京2020オリンピックを目処に何かしらの目標を掲げている人は、きっと多いのではないだろうか。「1000日あれば大抵のことはできる」、そんな彼の言葉を胸に、ちょっと目標を洗い直してみようかな。そう考えさせてくれるイベントだった。

 

イベント情報
『1day for 1000 days supported by ASICS』

2017年10月28日(土)
会場:東京都 WIRED HOTEL ASAKUSA

プロフィール
高橋正和 (たかはし まさかず)

銭湯ウェブメディア「東京銭湯 – TOKYO SENTO -」編集長。千葉県出身。2017年2月にリクルートキャリア「グッド・アクション2016」を受賞。温泉入浴指導員、スキンケアアドバイザー、サウナスパ健康アドバイザーなどの資格を保有し、お風呂の魅力を様々な角度から発信している。

鈴木ありさ (すずき ありさ)

スペシャルティーケーキデザイナー。幼い頃からアートや海外のパーティーに興味を持ち、大学ではビジュアルアート、空間造形を専攻。学生時代に訪れたボストンでケーキビジネスの存在を知り、日本にもスペシャルティーケーキの文化を広める存在になる事を決意。2014年1月、5年ぶりに日本帰国し、企業。ウエディングや様々なイベントでの実際のデザインケーキ製作と共に、ケータリングとしてテーマに沿ったデザートのレシピ開発、製作、及びコーディネートを行う。また、雑誌の撮影やウィンドウディスプレイを目的としたケーキも製作している。

中村ノルム (なかむら のるむ)

カナダ・トロント出身。2011年より、吉田兄弟のお兄さんに師事。以来、様々なライブやコラボ演奏を行う傍ら、三味線関連のYouTube動画を制作。ペリカンのある田原町在住。

ダニエル・ハリス・ローゼン

関西外語大に留学、陶芸に出会う。佐渡島で太鼓芸能集団「鼓童」に出会い、スタッフとしてツアーを一緒に回る。ハワイ大学で3年間美術を学び、多摩美術大学に進学。6年間美術を学び、博士号を取得。輪派絵師団(りんぱえしだん)で動画が大ヒット。会社を立ち上げコマーシャルアートのプロデュースを行っている。

山脇耀平 (やまわき ようへい)

1992年生まれ。大学休学中の2014年、実の弟とともにデニムの企業を立ち上げ、オリジナルデニムの販売やスタディツアーを中心に、生産者と消費者がともに幸せになる、持続可能なものづくりのあり方を模索している。繊維産地の課題解決に特化した人材育成学校の責任者でもある。



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