累計150万本を記録した人気ゲームシリーズの最新作で、9月27日にPlayStation®Vita用ゲームソフトとして発売される『地球防衛軍3 ポータブル』が特撮映像として実写化される。9月26日から同作の特設サイトで公開予定だ。監督はB級特撮映画の名手である河崎実であり、ゲームファン、映画マニア双方にとって期待が膨らむ企画となる。
しかし、リリースに先立って行われた記者会見の名称は、なんと『日本一B級な製作発表会』。なんでも映像製作で予算を使いきってしまったらしく、会場も監督が中野で経営する15人しか収容できないバーで開催するのだとか。「(ないとは思いますが)万が一定員に達した場合は〆切らせていただきます」と記載された申込用紙を慌てて送付し、会場に足を運んだ。
再登場する人気キャラ、ペイルウイング
『地球防衛軍3 ポータブル』は、2006年に発売された『地球防衛軍3』に新しいミッションやキャラクターが加わるというファン待望の話題作。シリーズ2作目に登場し、前作には参戦しなかった人気キャラのペイルウイングが再登場することも決まっている。連合地球軍EDFの隊員が地球の存亡をかけて蟻や蜘蛛などの巨大昆虫と戦うアクションゲームで、実際にバーのカウンターに置かれたデモ機でプレーしてみたが、画面一杯に迫りくる敵の迫力は圧巻だ。
ちなみに、ペイルウイングは空飛ぶ女性兵士という設定。オンラインで最大4人の同時プレイが可能となるため、彼女の存在で戦略に厚みがでそうである。実写化での配役が「人気絶頂のトップグラビアアイドル」とぼんやり伏せられているので、今回の発表会でどれだけ情報が明かされるかにも注目が集まったが、結果は後述するのでそちらを参照いただきたい。
実写化予告編に映る河崎実監督
期待を胸に会場に到着すると、やはり注目度が高いのか、報道陣で店内がぎっしりと埋め尽くされていた(15人だが)。会場で放映された実写化の予告編では、居酒屋ですっかり出来上がった河崎監督と共に「地球防衛軍の世界観を壮大なスケールで描く。総上映時間2分ぐらい」という、ゆるいコピーが流されたこともあり、監督が登場する頃には会場はすっかりリラックスムードに。
河崎監督は、『日本以外全部沈没』(06年)や『いかレスラー』(04年)などで有名なB級映画の第一人者でもある。過去にはAKB48のメンバーや加藤夏希、中川翔子など豪華キャストが出演したこともあったが、河崎監督いわく、「売れるとアイドルのプロフィールから抹消される」のだとか。
製作発表会の模様
発表会では、司会者から「苦労した点は?」と質問されると、「ないですよ。面白いだけ。撮影も、たった4日間だもの。初日は2時に終わって、2日目は3時に終わっていますから」とコメント。「2時で終わらなければ、4日間いらないんじゃないですか?」とツッコミが入ると、「いろいろ段取りがあるんだよ!」と、『日本一B級な製作発表会』の名に相応しい掛け合いを見せていた。
また、報道陣から「自身が防衛したいものはなんですか?」との質問が出ると、ゲーム担当者は「このゲームが売れることを守りたい」と答えたのに対し、河崎監督は真顔で「家族です」ときっぱり。「僕がクズみたいな感じじゃないですか!」と担当者から泣きが入っても、「商用主義は結構なこと」と突き放す場面が見られ、コントのような楽しい発表会となった。
しかし、「命かけています」と語る通り、監督が実写化製作に臨む姿勢は真剣そのもの。「アクションシューティングゲームだから、なんで地球防衛軍が結成されたのかというインサイドストーリーがない。僕なりに地球防衛軍結成から、怪獣が地球を襲いに来るまでを描き、ゲームの世界観を膨らませました」と明かす。
河崎実監督(中央)
B級映画へのこだわりを聞く質問には、「予算がなくて、A級映画を撮れないから、こうなってるんですよ!」としながらも、「そのかわり、やりたいことをやる。どうしてもウルトラマンや特撮に対する愛が抜けきれないけど、もう54歳だからやるしかないんですよ、死ぬまで」と意気込みを語ってくれた。
そんな型破りな監督だが、ペイルウイング役の「人気絶頂のトップグラビアアイドル」に関しては、「大人の事情」でどうしても話せないそう。「監督にとってどんなイメージのアイドルですか」と質問をぶつけ、なんとか情報を引き出そうとしたものの、「苗字は漢字2文字で、名前は平仮名2文字」ということ以外は9月18日の発表までは明かせないそうだ。地球防衛軍のなかに彼氏がいる設定になっているストーリーらしいので、よけいに誰だか気になるところだが、実際の動画本編のお披露目は9月26日の完成披露会見、そして同日の特設サイトでの公開を待つしかないようである。
そのほか、仮面ライダーなどを手掛けた「特撮研究所」が製作に関わっていることや、地球防衛軍の参謀や長官などにウルトラマンシリーズの有名俳優が出演することなどが明らかにされ、内容盛りだくさんの発表会となった。
本日より特設サイトで公開された監督のインタビュー動画では、「(フルCGでは)人間のぬくもりとか空気感が出ない」と話し、「(全部作りものでどうにかするみたいな)男の子の砂場遊びの魅力っていうのが特撮なんです」と特撮への愛をのぞかせている。命をかけて撮影した2分くらいの特撮映像がどのような作品に仕上がっているのか、9月26日に特設サイトで公開されるのが待ち遠しいばかりである。
- 製品情報
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- 『地球防衛軍3 ポータブル』
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2012年9月27日発売
ジャンル:3Dアクションシューティング
価格:通常版6,090円(税込) ダウンロード版5,250円(税込)
対応人数:1人(アドホック/オンライン通信による協力/対戦プレイは2〜4人対応)
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