進化著しい「海の家」激戦区でライブ、若旦那が熱唱

ひと昔前からは想像できないくらい、激変した海の家

最近の「海の家」はすごい、という話はよく耳にしていたが、ここまで進化していたとは、想像以上だった。神奈川県の由比ガ浜は、さまざまな企業が自社の宣伝を兼ねた海の家を出店。海岸沿いにはおしゃれなカフェのような建物が並び、世界各国の料理を本格的な味で楽しめるようになっている。

なかでも独自の面白い試みを行っているのが、「Lenovo House Beach Marche」（以下、ビーチマルシェ）だ。PCやタブレットで知られるLenovoが、南フランスのリゾート地「ニース」をイメージして出店した海の家である。8月9日土曜日に若旦那によるアコースティックライブが行われると聞き、「湘南の海で若旦那なんて、絶対に楽しいはず！」という軽い気持ちで足を運んできた。軽い気持ちというのも、由比ガ浜までは東京や渋谷からでも電車でたった1時間。鎌倉駅から江ノ電に揺られて2駅で到着してしまうのだ。

「Lenovo House Beach Marche」

しかし、残念ながらこの日は台風11号の接近で海が大荒れ。Tシャツでは肌寒いほどの天気で、水着ギャルもほとんど拝めず……。ライブの開催自体が危ぶまれるほどだったが、開始時刻が近づくと熱心なファンたちが続々と集まり、若旦那の名前を聞いて、通りがかったやんちゃそうな若者たちも見物に。なんとか雨に降られることもなくスタートを迎えることができた。

台風に負けじと集まった観客をROCKした、若旦那の圧倒的な人間力とサービス精神

この日はJFN系列のラジオ番組『ONCE』の公開収録も兼ねており、まずは司会を務めるトムセン陽子と若旦那によるトークショーからスタート。海にまつわるエピソードというお題では、若旦那が由比ガ浜の隣町でプール監視員をしていたという知る人ぞ知る話が飛び出した。LenovoのAndroidタブレット「YOGA TABLET 8」の話では、一般的なタブレットの約2倍という約16時間駆動の大容量バッテリーについて、ツアーや海外に行く際の移動中に助かるというミュージシャンならではの感想も。その後も「曲作りでこだわっているポイントは？」という質問に対して、「迷わないこと」と答えると、たとえばこんな感じでと「今日は～、波が高いから～」とフリースタイルで歌い始めるなど、サービス精神旺盛な姿で楽しませてくれた。

若旦那

20分ほどのトークを終えると、お待ちかねのアコースティックライブへ。サポートにギタリストを従えて若旦那がステージに再登場すると、「今日はせっかくなのでメロウな感じで」と“あなたのために”からスタート。夕暮れの海岸に響くギターと波音、そしてエモーショナルな歌声。途中で若旦那が「一緒に歌えー！」と呼びかけると「ウォ～ウォ～」と大合唱になり、終盤には「湘南の風はどうだい？　ものすごく気持ちいいだろ？」とフリースタイルで歌い始める。そしてプール監視員時代に「海パンを下げすぎて苦情が来た」というエピソードを歌って笑いを取ったかと思えば、「あの頃の仲間はここにいる」「俺は変わっちまったのか確かめに来た」と熱く歌い上げ、この日、この場所、そして若旦那にしか歌えない言葉を紡ぐ。

変幻自在のパフォーマンスで、あっという間に会場を1つにすると、続いては「あんな大人になりたい」と憧れているという「さだまさし」とのエピソードに触れ（この翌日にさだまさしが中心となって行われた『～東日本大震災復興支援 チャリティコンサート～ 2014 長崎から東北へ』に出演）、さだまさしの名曲“雨やどり”のカバーを披露。しっとりと歌われる原曲とは対照的に、情熱的な歌声を響かせ、それでいて言葉を大切に伝えようとする姿が印象的で、先の曲ではノリノリで騒いでいた若者客もジ～ンと胸に響いたようだった。

その後もこのシチュエーションでしか生まれないフリースタイルを交えながら、“何かひとつ”“誰にも負けたくない”を歌い上げ、わずか4曲ながら圧倒的な言葉の強さと人間力がビシビシと伝わるステージで魅了。ライブが始まる前はヘラヘラしていたやんちゃな若者たちも、終わった頃にはガッチリ心を鷲掴みにされた様子で感極まった表情に。気付けば会場の外にも見物客があふれ、大きな喝采を浴びてライブは幕を閉じた。若旦那、マジかっこいい！

料理のオーダーから、音楽、電子書籍まで。進化がとまらない海の家のIT事情

そしてライブが終わると、ビーチマルシェは通常の営業スタイルに転換。各テーブルには「YOGA TABLET 8」が置かれ、注文はこのタブレットから。メニューは「ニース」の市場（マルシェ）を感じさせるフレッシュ野菜をたっぷり使ったものが中心で、サラダは大きなボウルにてんこ盛り。カリッとした食感のフレンチピザ「タルトフランペ」は食事にもおやつにもピッタリ。ヨーロッパで話題のかき氷デザート「グラッタケッカ」も、果肉たっぷりのシロップがかかっていて満足度バツグンだ。

左：スモークサーモンとクリームチーズのタルトフランペ　1,200円 / 右上：ニース風サラダ　800円 / 右下：グラッタケッカ（マンゴー）　500円

なお、シャワーやロッカーの利用者、ビーチパラソルのレンタル利用者は、無料でタブレットをレンタルできる。ドルビーデジタルプラス対応のスピーカーで音楽を楽しんだり、電子書籍を読んでまったりするだけでなく、ビーチからタブレットを使ってドリンクや食事を注文することも可能。店内には充電器のついたテーブルもあり、スマートフォンやタブレットの充電ケーブルも無料で借りられるなど、至れり尽くせり。

ちなみにビーチマルシェは、江ノ電の由比ヶ浜駅から行くと便利。この夏、まだ海に行ってないという人は、この機会に是非！