100円玉硬貨を電子顕微鏡で見てみたら……
ジャパンネット銀行が展開するキャンペーンウェブサイト「現金顕微鏡」がおもしろいことになっている。アクセスすると真っ暗な背景に表示されるのは大きな「100円玉」硬貨。10か所ほどクリックを誘導するポイントが表示されるので、それに従ってクリックしてみると、視点は100円玉にズームアップし、なにやら薄気味悪い写真をたくさん見ることができる。
「現金顕微鏡」ウェブサイト
電子顕微鏡を使って高精度撮影されたという、それらの写真のキャプションには、「魚のうろこ」「しょうゆ」「蝶の羽」「花粉」「ビール」「珈琲」「海水」「砂」「コスメ」「涙」などとある。ミクロな世界をじっくり見る機会も少ないので、スライドショーを展開させつつ、下にスクロールできそうな矢印をクリックしてみたところ、そこにはJNB Visaデビットカードの写真とキャッチコピーが。
「お金は天下の回りもの。カードはあなただけのもの。」
なるほど。お金はみんなが使うものだから、いろんな付着物があって汚い。だから自分だけのデビットカードを使いましょう、ということのようだ。
お金は天下の回りもの、だから付着物がいっぱい
たしかに「お金」は汚いものだと聞かされてきたし、その「付着物」を電子顕微鏡で拡大し、そこから想像を広げてしまうのは少し「気持ち悪い」ことでもある。しかし一方で、編み目の構造をした「海水(プランクトン)」や「珈琲(カフェインの結晶)」、重なり合った「蝶の羽」など、「美しい」ビジュアルも、100円玉の上にたくさん展開されているのが興味深い。
さらに、それらのビジュアルに重ねて表示されるキャプションには、「このお金は、何度、南の島を旅したのだろう。」(砂)、「そのお金は何人もの女性を見てきた。」(コスメ)など、人から人へと渡り歩いてきた「お金」と「付着物」に、夢やロマンを馳せさせるような物語が。つまり「貨幣」に対して「不衛生」という斬新な視点から突っ込みを入れたデビットカードの挑戦は、一方で「不衛生な貨幣」に隠された「美」の魅力をも明らかにしているのだ。
今回のキャンペーン関係者に話を聞いてみたところ、企画ではこの10案のビジュアル以外にも、現金に付着するさまざまなモノの可能性が挙げられたそうで、今後は最先端の電子顕微鏡を使った3Dでの撮影も試したいとのこと。この少し気持ち悪くもあり、美しいウェブサイトを眺めながら、「お金」のあり方について少し考えてみるのはいかがだろうか。今後の展開も楽しみだ。
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