テリー・ライリーとクロノス・カルテットが横浜で日本初の競演。坂本龍一らのコメントも

テリー・ライリーとKronos Quartetによる公演が、9月26日にビルボードライブ横浜で開催される。
2020年に来日公演を行なう予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で延期となっていたKronos Quartet。来日公演は19年ぶりの開催となる。テリー・ライリーは日本に滞在して創作活動を続けている。両者が日本で共演するのは今回が初めてとのこと。それぞれの演奏だけでなく、両者によるセッションも披露される予定だ。
同公演のために、坂本龍一、ジム・オルーク、ピーター・バラカン、犬童一心、一柳慧、田中泯、蓮沼執太らがコメントを寄せている。
チケットのプレオーダーは現在受付中。
【坂本龍一のコメント】
テリー・ライリーとクロノス・カルテットは、これまでいくつかの素晴らしいアルバムを出しています。
僕はそれぞれのファンなので、彼らのコラボは嬉しくて仕方がありません。
今回はどんな音楽をやってくれるんだろう、と興味津々です。
ぜひ多くの人に聴いてほしいと思います。
【ジム・オルークのコメント】
32年前、シカゴで初めてテリー・ライリーとクロノス・カルテットを観たときのことは、今でも強く印象に残っています。
テリーが持っていたヤマハのオルガンは、チューニングと倍音が彼の正確な耳と合うように改造されていたのを覚えています。
音楽がホールに反響しながらも、格子状の構造を作り出し、私の耳が見えるようになったのを覚えています。
このような思い出を、みんなが未来に引き継いでくれることを願っています。
【ピーター・バラカンのコメント】
クロノス・クァルテット + テリー・ライリー。
どんな展開になるか、予想できません。
それでも、このそうとうレアな共演を想像しただけでわくわくします。
【犬童一心のコメント】
もはや伝説なはずなのに、
気付けば、イキイキとテリー・ライリーとクロノス・クァルテットが横浜にいるそうです。
すごい。リアルか?
その、今を纏った音が、どこへ向かうか、聴きとどけたい。
【一柳慧のコメント】
テリー・ライリーは今もまぎれもなく、先駆的ミニマル・ミュージックの作曲家である。
彼はあまたの後輩のミニマリスト達に大きな影響を与えながら、
今も自分の書法を貫いて
インシーを連想させる他の人が真似できない音楽を書き続けている。
【田中泯のコメント】
野望という言葉が好きだ。
文字を見ていると頑張れ、自意識を解放せよ、勇気を持て、と言われているようだ。
「ミニマル」は僕にとって等身大の野望だ。
ジャンル示す言葉などではない。
テリーさんの方へ走っていってみよう。
【蓮沼執太のコメント】
テリー・ライリーさんの音楽とは、
高校生の時に『Shri Camel』と出会い、自由学園明日館で初めて生演奏を聴きました。
NYウォール街のフェデラル・ホールで観た、息子さんギャンさんとの共演も暖かいものでした。
この夏、テリーさんのラーガ・クラスに参加しました。
空間に漂う気配に寄り添うようにして、
テリーさんの口から発せられた音は、自由で開放された響きでした。
テリーさんの音楽はこのラーガ体験のように、
常に生まれ続けて、生まれ変わっているように感じます。
過去を軽々と更新して、どんどん新しい未来へ進んでいる。
このコンサートは創造性に触れるチャンスです。

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Crossing??
CINRAメディア20周年を節目に考える、カルチャーシーンの「これまで」と「これから」。過去と未来の「交差点」、そしてカルチャーとソーシャルの「交差点」に立ち、これまでの20年を振り返りながら、未来をよりよくしていくために何ができるのか?