1月15日、英EMIグループは、音楽事業の再編計画を発表した。それによると、1500~2000人のリストラを予定しており、年間2億ポンド(日本円にして約420億円)のコストカットを目指す。これらは、2007年に同社を買収したTerra Firmaが事業の見直しを検討した結果の発表だという。
今後は、プロモーションやデジタルサービスに力を入れていき、組織改編を経て、より合理化を求めていく意向だ。発表では、「アーティストの立場を考え、消費者を中心に考えた革新的な音楽会社になるための立て直しを図る」としているが、Terra Firmaのやり方に不満を持ったレディオ・ヘッドやポール・マッカートニーはEMIとの契約を打ち切っているなど、業界を騒がせている。
これからの音楽をとりまく市場が大きく変化していくことは間違いがないが、その中でどうやって生き残っていくか、アーティスト、企業、消費者の3者にとって理想的な形をつくっていくか、世界中の音楽系の企業が考えあぐねている。何が良いのか悪いのか、一筋縄では語れないからこそ、今後もマーケット全体を見つめると同時に、1リスナーとしての個々人のありかたにも自覚的でありたい。