2月19日、社団法人日本レコード協会は、ネット上で配信・販売されている楽曲が、レコード会社が許諾した正規の音楽配信であることを識別できるようにするためのマーク、「エルマーク」を制定し、運用を開始した(掲載画像)。これにより、同協会はリスナー側が安心して音楽配信を楽しむことができるとしている。
リスナーからしてみれば、データである以上それが正規のものかそうでないかは、さして問題にならないケースの方が多いのではないだろうか。逆に、このマークの制定は、配信サイト運営者や音楽業界側への配慮や、文化庁の文化審議会著作権分科会が議論している著作物のダウンロードも違法になるという、行政や司法の面から見た対策ではないかと思われる。
また、同協会が同月20日に、同協会を含む7団体が「音楽の不正アップロード防止キャンペーン」を開始したと発表している。これは昨年に引き続くキャンペーンで、今年も交通広告やWEBサイト、モバイルサイトなどで音楽の不正アップロードが犯罪であることを訴えていく。また、今年はエルマークの認知拡大に、広告にマークの掲出を行なっていくようだ。
モバイルを中心に音楽業界の売上げの中でインターネット上での音楽配信が拡大していく中、それらの時代的な動きと、法的な整備や既存の利益の保持を両立しようとして取り組むこれらの活動は、当然行なわれていくべきだ。それが、どのような形で実を結び、消費者の利益になっていくのかを考えていきたい。