イラクで何が起こっているのか、私たちは本当に知っているのだろうか?
2006年にイラクで実際に起こった、米兵による14歳の少女レイプと彼女を含む家族4人惨殺事件を題材にした作品『リダクテッド 真実の価値』が、10月からシアターN渋谷ほか全国で順次ロードショーされる。
哀しみと怒りをもって、戦争の残虐性と情報操作の恐怖を直視したブライアン・デ・パルマ監督が、ドキュメンタリーを超える「真実」を突きつける。
HDビデオによって撮影されたドキュメンタリーと見まがう複数のフィクション映像を用い、それらを組み合わせることで「真実」に肉迫。挑戦的なテーマと斬新な撮影方法で、2007年ヴェネチア国際映画祭に大きな衝撃を与え、賛否両論の嵐を巻き起こした。
『カジュアリティーズ』(89)でベトナム戦争での集団強姦殺人を描いたデ・パルマ監督が、「映像こそが戦争を止める」という信念のもと、9.11以降、主流と異なる意見が排除されがちな空気や圧力が蔓延するアメリカを相手に、再び挑んだ野心作だ。
『リダクテッド 真実の価値』
2008年10月25日、シアターN渋谷ほか全国ロードショー
監督・脚本:
ブライアン・デ・パルマ(『ミッション:インポッシブル』、『ブラックダリア』)
キャスト:
ロバート・デヴァニー
イジー・ディアズ
パトリック・キャロル
ダニー・シェルマン
ケル・オニール
(画像:© 2007 HDNet Films LLC)