【フォトレポート】『Helvetica 〜「A tribute to Typography 〜 ヘルベチカの過去・現在・未来」展〜』

世界中で愛される書体「Helvetica(ヘルベチカ)」。そんなhelveticaを様々な角度から紹介する企画展『Helvetica ~「A tribute to Typography ~ ヘルベチカの過去・現在・未来」展~』が、ラフォーレミュージアム原宿で10月21日(火)から10月28日(火)まで開催された。

「helvetica」の魅力に迫るドキュメンタリー映画『ヘルベチカ~世界を魅了する書体~』の特別上映など多くの注目を浴びながらも、8日間という短い会期のため見逃してしまった方も多いはず。会場の写真を交えながらその一部を紹介したい。


『Helvetica ~「A tribute to Typography ~ ヘルベチカの過去・現在・未来」展~』

会場のすぐ入り口脇に並ぶヘルベチカの金属活字。さらに取り囲むように当時の書体見本帳や活版印刷機が並ぶ。


その奥には実際にhelveticaが使用されているアイテムやヴィジュアルアイデンティティの数々が、所狭しと並べられている。ドイツの航空会社「ルフトハンザ」やBMWなど世界中のロゴマークにも使用されているが、日本の身近な企業にももちろん使われているほか、日常生活でも一般的に目にする機会が多い事がわかる。



『Helvetica ~「A tribute to Typography ~ ヘルベチカの過去・現在・未来」展~』

こちらはCDジャケット。音楽好きなら外せない名盤が並んでおり、これらの書体に使われているのもHelveticaだ。1957年に作られたというだけあって、数十年前のジャケットにも多く使われている。



『Helvetica ~「A tribute to Typography ~ ヘルベチカの過去・現在・未来」展~』

中でも特に目をひきつけられた、Panasonicの立体ロゴ。



『Helvetica ~「A tribute to Typography ~ ヘルベチカの過去・現在・未来」展~』

奥のスペースでは10月24日に発売されたドキュメンタリー映画『ヘルベチカ~世界を魅了する書体~』を上映。会場の関係で映画館同様のシステム、とはいかないまでも広いスペースと座席を確保しており、平日の昼間にも関わらず画面に見いる人々が見受けられた。


会場の半分弱のスペースを使用しながら紹介された日本のデザイナー達の作品達。インスタレーション形式、グラフィック、立体作品など多彩な表現がされていた。



『Helvetica ~「A tribute to Typography ~ ヘルベチカの過去・現在・未来」展~』

FLAMEの古平正義によるグラフィック。左は全体像。拡大された右の写真を見ると血管のように見えるラインが全てHelveticaでできていることがわかる。



『Helvetica ~「A tribute to Typography ~ ヘルベチカの過去・現在・未来」展~』

『Helvetica ~「A tribute to Typography ~ ヘルベチカの過去・現在・未来」展~』

写真上:菊地敦己(Bluemark)のインスタレーション
写真下:服部一成によるグラフィック作品



『Helvetica ~「A tribute to Typography ~ ヘルベチカの過去・現在・未来」展~』

日頃からフォントそのものを素材として作品を制作する「大日本タイポ組合」は、Helveticaのフォントファミリーを活かし、擬人化したグラフィックを発表。ウェイトの違いによる印象が一目でわかる作品だ。



『Helvetica ~「A tribute to Typography ~ ヘルベチカの過去・現在・未来」展~』

Helveticaによる文字が印刷された部分をパーツとして使用したフライターグの数々。これらはアーティスト作品ではないが、個性的なそれらの模様からは作り手の愛情がひしひしと感じられる。なお、フライターグの制作風景はドキュメンタリー映画の中にも登場する。



『Helvetica ~「A tribute to Typography ~ ヘルベチカの過去・現在・未来」展~』

会場の出口には女子美術大学有志によるフィールドワーク作品が展示されており、身近な街中で見つける事のできるHelveticaの写真が並べられていた。



『Helvetica ~「A tribute to Typography ~ ヘルベチカの過去・現在・未来」展~』

会場外の物販にはフライターグをはじめ、参加アーティストのアイテムが販売されていた。


スイス大使館ギャラリーにて、Helveticaの生まれた国として知られるスイスのタイポグラフィー・デザイナーであるロマノ・ヘニの個展が11月7日まで開催されている。タイポグラフィーをさらに体感する機会として足を運ぶのもおすすめだ。

スイスで活版印刷による本を手がけるロマノ・ヘニの巡回展

(投稿・撮影:CINRA柏木)

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