大島梢と野田幸江の2人展『幻日の箱』、同世代の2人に共通する空気感

大島梢と野田幸江の2人展『幻日の箱』が、11月18日からIID世田谷ものづくり学校にて開催される。同展覧会は、若手のアーティスト達を支援する特定非営利活動法人コンテンポラリーアート・イン・東京こと、CATが主催する。

タイトル「幻日の箱」の幻日とは、一定の条件下で太陽の左右に現われる光の現象のこと。今回展示する2人のアーティストは、異なる主題や技法にもかかわらず、それぞれの豊かな感性から生まれたもうひとつの世界を創り出している。この同世代のふたりに共通する空気感は、まるで太陽を中心として左右対称的に現れる幻日に似た関係性を見る者に感じさせてくれるだろう。

大島は昆虫、鳥、植物、海などの自然物を主なモチーフとしており、ジェッソで丹念に下塗りしたキャンバスの上に、鉛筆やアクリルを用いて作品を制作。繊細な筆のタッチで描かれる樹木や波、大島独特のモチーフが有機的に結びついた壮大な風景のペインティング作品を作り出している。同展では大小5点のペインティングと、立体の計6点を展示する。

一方の野田は代表作のひとつである『祈りと制作』の1点を展示。180x720cmもの長い画面の中に浮かび上がるいくつもの場面。一見すると静謐が支配するその中で、無数にうごめく一糸まとわぬ人間たちの喜怒哀楽が描かれている。

大島の色褪せない押花のような美しい物語と、野田による人間の精神と肉体の回想録。2人の対照的な作品群が複雑に絡み合う展示空間が生まれるだろう。

なお、会期中には作家本人も参加するワークショップも予定されている。

大島梢・野田幸江 二人展
『幻日の箱』

2008年11月18日(火)~11月30日(日)11:00~19:00(最終日17:00まで)
会場:IID GALLERY、IIDエントランス
休館日:月曜(月祝の場合翌休)
料金:無料
主催:CAT
協力:IID、Mizuma Art Gallery

「オープニングレセプション」

2008年11月22日(土)17:00~19:00

幻日の箱関連ドローイングワークショップ
『たくさんの粘土で遊ぼう!』野田幸江

2008年11月23日(日)13:00~15:00
持ち物:汚れてもいい服装、粘土に飾りたい小物も持参可能
参加費:無料
定員:15名
主催:CAT
協力:IID、Mizuma Art Gallery

幻日の箱関連ドローイングワークショップ
『自然のかたちを描こう!』大島梢

2008年11月30日(日)13:00~16:00
会場:IID GALLERY
料金:1,500円
定員:15名
主催:CAT
協力:IID、Mizuma Art Gallery

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