日本人にもファンの多い、アレクサンドル・ソクーロフの最新作映画『チェチェンへ アレクサンドラの旅』が、12月20日(土)から公開される。
チェチェン共和国のロシア軍駐屯地。部隊の一将校である孫のもとに、祖母のアレクサンドラが会いに行く。蒸し暑さが滲み出すような赤茶けた地帯からは、長年の戦争に倦んだ土地の荒涼とした空気が漂う。7年ぶりに会う愛しい孫が、銃で人を「殺す」以外に何もできないことを嘆き、「破壊ばかりで、建設はいつ学ぶの?」と思わず訊いてしまう。
彼女は兵士と同じテントに泊まりながら、ゆったりと、兵士や現地の人々と親しくなり、僅かの滞在で新たな世界を知る。
本作の主演を務めるのは、ロシアオペラ界きっての世界的ソプラノ歌手、ガリーナ・ヴィシネフスカヤ。彼女を主役に撮るという、監督の長年の夢が実現した作品にもなっている。物静かな、表情での演技が物語をいっそう深いものへとしている。
戦闘シーンや砲撃、爆撃などいわゆる戦争映画に描かれるシーンは一切なく、説教じみた戦争映画とも一味違う作品である。
公開に伴い、12月12日(土)に六本木スーパーデラックスにて関連イベントが開催。チェチェンの「語られなかった戦争」とソクーロフの「精神の声」について、多彩なゲストによるトーク、映像、音楽で意識を覚醒する一夜が予定されている。
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『チェチェンへ アレクサンドラの旅』
2008年12月20日 渋谷ユーロスペース全国ロードショー
監督:アレクサンドル・ソクーロフ(『エルミタージュ幻想』『太陽』など)
キャスト:
ガリーナ・ビシネフスカヤ(アレクサンドラ・ニコラエヴナ(祖母)役)
ワシーリー・シェフツォフ(デニス・カザコフ(孫)役)
ライーサ・ギチャエワ(マリカ役)
エフゲーニー・トゥカチュク(大佐役)
『チェチェンへ アレクサンドラの旅』公開記念イベント
『ダローガ~Daroga チェチェンへの道』
2008年12月12日(金)OPEN 19:00 / START 19:30
会場:六本木スーパーデラックス
出演:
常岡浩介(ジャーナリスト、『ロシア 語られない戦争 チェチェンゲリラ従軍記』著者)
他、多数ゲスト来場
料金:2,000円(1ドリンク)
(画像:© Proline-film © Mikhail Lemkhin)