資生堂がメセナ活動の一環として、新進アーティストを支援するために行っている公募展『shiseido art egg(シセイドウ アートエッグ)』。3回目となる今回は、宮永愛子、佐々木加奈子、小野耕石の3人が入選した。1月9日より資生堂ギャラリーで3人の個展を順次開催する。
宮永愛子は、日常品をナフタリンという特殊な素材でかたどり、次第に昇華し形を失っていく様子を見せる作品など、時間の経過をイメージさせる作品を制作している。本展では、かつて銀座周辺に50以上も存在していたといわれる井戸と湧水に着目したインスタレーション作品を発表する。
佐々木加奈子は、歴史的な出来事(事件)があった場所に身を置き、史実を自身のリアリティーとして表現した歴史のプロジェクトなど、土地や人の記憶、歴史等を作家自身が「体験」「体感」することで、写真や映像作品を制作している。本展では、ボリビアにある沖縄村をモチーフにした映像とインスタレーション作品を発表。
小野耕石は、スクリーンプリントの版技法を用い、規則正しく配列した小さなドットにインクを100層以上刷り重ねることで「素材」そのものの可能性を超える表現を試みる。本展では、月に照らされた静謐な「湖」をイメージした作品を発表する。
なお、3人の展覧会から、shiseido art egg賞が選出される。発表は2009年4月下旬、資生堂ギャラリーのウェブサイトにて。
『第3回shiseido art egg展』
会場:資生堂ギャラリー(東京・銀座)
開館時間:平日11:00~19:00 日曜・祝日11:00~18:00
休廊日:月曜
入場:無料
宮永愛子展
2009年1月9日(金)~2月1日(日)
佐々木加奈子展
2009年2月6日(金)~3月1日(日)
小野耕石展
2009年3月6日(金)~3月29日(日)
(画像上:小野耕石“古き頃、月は水面の色を変えた(部分)” 2008/スクリーンプリント、画像中:宮永愛子“”凪の届く朝(部分) 2008、画像下:佐々木加奈子“Okinawan Ark(仮)” 2008)