水への脅威と心の安堵、人魚はトラウマを救う、西尾康之展『DROWN−ドラウン−』

「エロス」や「タナトス」など、センセーショナルなテーマに制作を続けるアーティスト、西尾康之。彼の独自の造形手法により生み出されるダイナミックな彫刻は圧倒的な存在感を放っている。

山本現代で3度目となる今回の展示作品は、幼少期に海で溺れかけたという実体験から生まれたもの。人命に必要不可欠でありながら、命を脅かす恐ろしい対象でもある「水」。その脅威に悩まされ、彼が至った結論は「魚になること」だった。

トラウマを乗り越えるために、彼の強い欲望から生み出された人魚たちが海に見立てられた会場に浮かぶ。進化論的リアリズムを追求した全長3mもの「人魚」は、見るものを圧巻させ引き込んでいく。

西尾康之
『DROWN−ドラウン−』

2009年1月10日(土)~2月7日(土)11:00~19:00
※金曜日は20:00まで
会場:山本現代
休廊日:日曜、月曜、祝日

オープニングパーティー

2009年1月10日(土)18:00~20:00

(画像:Drown – The Sands 2008 ©西尾康之 Courtesy of YAMAMOTO GENDAI)

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