パンツをはいた愛らしいゾウや蝶、鳥、女の子や謎めいた双子、擬人化されたリンゴにソフトクリームなどの子どもや女の子が大好きなキャラクターをモチーフにする坂知夏の個展が、渋谷パルコファクトリーで開催される。会期は1月17日(土)から2月9日(月)。
坂は1973年愛知県生まれ。村上隆主宰のカイカイキキに所属のアーティスト。2005年にニューヨークで発表した巨大な親子ゾウの彫刻は大きな話題を集めた。ちょっと不思議だけど心地よい安らぎを感じさせる坂の作品は、温かい魅力に満ちている。
最新の大作7点をはじめとする絵画やドローイングからなる本展のテーマは、「生命(いのち)」。かわいくも少し怖さを秘めた独特の生き物たちは、その姿を自由自在に変える。坂にとって安心をもたらす守護神的存在だというゾウ、一方で双子やモンスターなどのどこか不安感をもたらす暗いものの存在。一見ファンシーな世界には、生き物の生死に向き合う畏怖の念が常に底流を流れている。
個展に併せて初となる画集も1月に刊行予定。展覧会の会場でも販売し、その他新作グッズなど多彩な企画が進行中とのこと。一人の人間の母となった坂が作り出す観る者を優しく包み込むような、あたたかな世界を感じてほしい。
また、展覧会タイトルである「ゾウを食べるには一日一口ずつ」にちなみ、毎日絵日記風に更新するブログもスタート。ママさんアーティストとしての日々の生活が彩り鮮やかな色彩で更新されている。
坂 知夏個展
『ゾウを食べるには一日一口ずつ』
2009年1月17日(土)~2月9日(月)
会場:パルコファクトリー 渋谷パルコ パート1・6階
時間:10:00~21:00(入場は閉場の30分前まで。最終日のみ18時閉場)
料金:一般300円 学生200円 小学生以下無料
主催:パルコ
企画・制作:パルコ+カイカイキキ+テクノプロ
(画像上:ぞうと双子とあの子たち, 2008 Acrylic on canvas 1621 x 2606 mm、画像下:生まれたところは水の中, 2008 acrylic on canvas 1621 × 1303)