若手作家3人によるグループ展『Multiple Worlds ― 淺井裕介、泉啓司、西村知巳』が、ARATANIURANOで1月31日まで開催している。既成概念にとらわれない、自由な表現という点で共通する3人の活動を一同に紹介する。
1981年生まれの淺井裕介は、マスキングテープや水、石、埃など身近なものを用いながら、室内外の壁面や床、道路などに絵を描くことで、ありふれた無機質な空間をドラマチックに変容させる。会期後半に入った現在、淺井は会場内に滞在し、壁画の制作を行っている。
1973年生まれの泉啓司は、空想的で不可思議な人間を、木彫刻で制作している。SF的でおかしみのある人物像は、環境など社会問題に直面する人類の進化してしまった未来像を思わせる。また泉の作品の特徴として、制作過程で裸像を彫塑しその上から衣服を着せるなど見えない部分も精巧に制作している。
1978年生まれの西村知巳は、ポートレイト写真とともに、散文詩的なテキストを並列に展示して発表している。被写体のミステリアスな表情の奥に秘められた抒情性は、写真に添えられた空想とも真実とも捉えがたい鋭敏なテキストと連鎖し、映像的な時間軸を創り出す。
『Multiple Worlds ― 淺井裕介、泉啓司、西村知巳』
2008年11月15日(土) ~1月31日(土)11:00~19:00
出展作家:
淺井裕介
泉啓司
西村知巳
会場:ARATANIURANO(東京・新富)
休廊日:日・月曜・祝日
料金:無料
(画像上:淺井裕介「泥絵・誰のためのお客さん、さて君は?」 2008 インドネシア ジョグヤナショナルミューアム 現地で採取した4種類の土と水 撮影:細川葉子、画像中:「Multiple Worlds」展示風景 撮影:木奥恵三(西村知巳、泉啓司作品展示風景)、画像下:「Multiple Worlds」展示風景 撮影:木奥恵三(泉啓司作品展示風景))