ロサンゼルスを拠点に活躍しているジェームス・ウェリングの新作展『Notes on Color』が、2月5日(木)よりWAKO WORKS OF ARTにて開催される。
ウェリングは、アルミホイルやベルベットを用いた抽象的な写真や、光のグラデーションで見せるフォトグラムなど多様な作品を30年以上にわたり発表してきた。アナログかデジタルか、カメラを使用するかしないかということよりも、光、影、時間をコントロールすることに重点を置いた実験的なアプローチを続けている作家だ。
本展で発表する「Glass House」シリーズでは、約60年前に建てられたモダニズム建築の巨匠フィリップ・ジョンソンの邸宅(ガラスの家)を撮影。カラーフィルターによる鮮やかな色彩やレンズフレアで強調された陽光が、一時的にフィルムに定着され、名建築の新たな表情を浮かび上がらせている。「Quadrilaterals(四角形)」シリーズでは、はじめてグラフィックソフト(MAYA)を使用。スキャニングした90種のボール紙をランダムに再構築し、画面上で陰影を加え、繊細な立体感を作り出している。
いずれのシリーズも、作品のなかで幾重にも交差する光や時間が、私たちの意識を被写体そのものから、その背後に存在する目に見えないものへと導いていく。「写真とは何か」を問い続け、光で描くということの可能性を一貫して追求するウェリングの世界をぜひ味わいたい。
ジェームス・ウェリング
『Notes on Color』
2009年2月5日(木)~3月14日(土)
時間:11:00~19:00
会場:WAKO WORKS OF ART(東京・西新宿)
休廊日:日・月・祝
料金:無料
(画像:0696 2006 Inkjet print on Museo Silver Rag paper 61x43.8cm Unique © James Welling Courtesy of Wako Works of Art)