わずか14年間の歴史に900本以上もの傑作や怪作を生み出した映画会社、新東宝。戦後を疾走した新東宝の創立60周年を記念して、9週間にわたる回顧上映がシネマート六本木、シネマート新宿にて開催中だ。
東宝争議の真っ直中、新東宝は映画を作りたいという純粋な想いを持った俳優、監督、スタッフから誕生した。初期は小津安二郎、溝口健二、黒澤明など巨匠による文芸作品を、後期は当時のワンマン社長による「エログロ」路線と呼ばれるカルト作品を数多く残している。全身タイツで疾走する若き宇津井健から果ては鮮明に映像化された「地獄」まで、期間中に全74作品が体系的に上映される。
日本の映画全盛時代、また労働争議という激動の瞬間に切磋琢磨して制作されたためか、新東宝映画は今観ても全く色褪せておらず、むしろ真新しい印象さえ受ける。日本映画のパワーの源流を再発見、もしくは発見してほしい。
『60周年記念 新東宝大全集 60年 60日60作品+α』
2009年1月31日(土)~4月3日(金)
会場:シネマート六本木、シネマート新宿
上映作品(一部)
溝口健二監督『西鶴一代女』
小津安二郎監督『宗方姉妹』
黒澤明監督『暁の脱走』
中山信夫監督『東海道四谷怪談』
舞台挨拶
2009年2月14日(土)14:00「女の暦」上映前
会場:シネマート六本木
登壇予定者:香川京子
料金:一般1,300円、シニア・学生・子供1,000円
※当日シネマート六本木にて10:00からチケット発売開始
関連イベント
『真夜中の新東宝~オールナイトの5夜~』
※チケットぴあにてチケット販売
第1夜『Jホラーの父 中山信夫 恐怖怪談の夜』
2009年2月6日(金)22:00~6:00頃
会場:シネマート新宿
第2夜『闇を突っ走れ!石井輝男 地帯シリーズの夜』
2009年2月20日(金)22:00~
会場:シネマート新宿
第3夜『海女、女王、女体…、新東宝の華 女人饗宴の夜』
2009年3月6日(金)
会場:シネマート新宿
第4夜『宇宙平和の使者登場!スーパージャイアンツの夜』
2009年3月20日(金)
会場:シネマート六本木
第5夜『溝口、小津、成瀬、黒澤…、新東宝 巨匠たちの夜』
2009年4月3日(金)
会場:シネマート新宿