フォトグラファー、ロバート・メイプルソープのドキュメンタリー映画『メイプルソープとコレクター』が、3月28日(土)から渋谷のライズXにてロードショーされる。
メイプルソープは生前よりゲイであることを公言し、芸術表現としての「性のボーダー」を超えた人物。常にスキャンダラスな論争を巻き起こし、70~80年代のアートシーンに多大な影響を与えたことでも知られている。花、男性ヌード、など彫像等被写体が変化しても彼が一貫して求め続けた「完璧な瞬間」は、没後20年を経た現在でも観る者を魅了し続けている。
本作はタイトルのとおり、フォトグラファーとしての側面だけでなく、キュレーター、アートコレクターとして知られ、メイプルソープの運命に決定的な影響を与えたサム・ワグスタッフにも焦点をあてている。ワグスタッフはメイプルソープをパトロンとして援助しただけではなく、自らのコネクションを活用し、彼をニューヨークのアートシーンに送り込んだ人物だ。
また、メイプルソープがが唯一愛した女性であり、生涯のミューズであるパティ・スミスが自ら語る愛の日々や当時を知る関係者によるインタビューも収録。アーティストとコレクター、アートがビジネスになる仕組みなどを通して、アートの裏側に潜むスリリングなもう1つの世界を知ることができる貴重なドキュメンタリー作品といえるだろう。
『メイプルソープとコレクター』
2009年3月28日(土)より、ライズXにてロードショー
監督:ジェームズ・クランプ
キャスト:
ロバート・メイプルソープ
サム・ワグスタッフ
パティ・スミス
配給:ロングライド
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