和紙に鉛筆と墨で「闇の世界」を描く梶岡俊幸の個展『The Birth Canal-未来へのうねり』が、4月9日(木)から東京・南青山のスパイラルガーデンにて開催される。
梶岡の作品は一見真っ黒い絵のようだが、よく見ると膨大な量の鉛筆の線で埋め尽くされ、その上におおらかに墨が重ねられている。これらの作品は川面を描いており、恐怖や不安を感じさせながらも、同時にゆったりと包み込むような穏やかさをも与える。
同展では、高さ5m、横幅9mの絵画が吹き抜け空間にそびえ立ち、スパイラルカフェから臨むギャラリー壁面は複数の巨大な作品に覆われる。タイトルの「Birth Canal」(産道)は、それらの作品が屹立した光景を運河(canal)に見立て、流れる水の闇は生命の根源であるとして名付けられている。
梶岡がよく眺めていた夜の川面には、計り知れない何かを宿した闇が揺らいでおり、同時に、自分もその一部であったという体の記憶を呼び覚ますものだったという。その経験にもどづいて生まれた今回の展示。独特のスケールと質感で、スパイラル全体が穏やかな黒の世界に包まれるだろう。
art-life+vol.11 梶岡俊幸展
『The Birth Canal-未来へのうねり』
2009年4月9日(木)~26日(日)11:00~20:00
会場:スパイラルガーデン(スパイラル1F)
会期中無休
料金:無料
(画像:noctune 2007)