フランスの大道芸人フィリップ・プティによる伝説の芸術犯罪を追ったドキュメンタリー映画『マン・オン・ワイヤー』が、6月から公開される。
1974年8月7日、23歳だったフィリップ・プティは当時世界で一番の高さを誇るニューヨークのワールドトレードセンターのツインタワーのビルの間に設置した細い綱の上を渡った。セーフティネットや命綱もなく、そして許可を得ずにゲリラ的に行われたそれは、まさに命がけの挑戦だった。そして地上から1,350フィートのその場所で、彼は45分間にわたり8往復の綱渡りを披露し、逮捕された。
この伝説の達成の陰には、プティが6年半抱き続けた夢と、8ヶ月間の準備があった。ワールドトレードセンターのセキュリティの回避し、重たい鉄のケーブルをこっそりと持ち込む。さらにツインタワーの最上階の間に綱を張り、風やビルの揺れに耐えうるようにするために固定する。そのためにプティはジャーナリストや旅行者、配達員のフリをしてツインタワーの屋上に忍び込むなど、計画を進めるために何度も足を運んだ。
『マン・オン・ワイヤー』は、プティが最初の一歩を踏み出すまでの舞台作りに協力した仲間の証言を通して、この驚くべき挑戦を描いた作品だ。空を舞台したおとぎ話のような感動の実話が生まれるまでの、興奮と感動が見る者を魅了するだろう。
『マン・オン・ワイヤー』
2009年6月、テアトルタイムズスクエア他、全国順次ロードショー
監督:ジェームズ・マーシュ
製作:サイモン・チン
撮影:イゴール・マルティノビッチ
音楽:マイケル・ナイマン、ジョシュア・ラルフ
キャスト
フィリップ・プティ
ジャン・ルイ・ブロンデュー
他
配給:エスパース・サロウ
(画像:©2008 Jean-Louis Blondeau / Polaris Images)