チベット僧パルデン・ギャツォの不屈の精神を描いたドキュメンタリー映画『雪の下の炎』が、渋谷アップリンクで公開中だ。
パルデンはサンフランシスコで1996年に開催された第1回チベタン・フリーダム・コンサートにBjork、ビースティー・ボーイズ、オノ・ヨーコらとともに参加した人物。平和的なデモを行ったという「罪」で投獄された彼は、33年間にわたり想像を絶する拷問を受けていた。過酷な環境の中で生き抜いたパルデンは、非業の死を遂げた同胞のために今も戦い続けている。
監督はドキュメンタリー作家・楽真琴。パルデンの自叙伝『雪の下の炎』に救われたという彼女は、過酷な運命中でも微笑みつづけるパルデンの不屈の精神に感銘と尊敬の念を抱き、彼を訪ねてインドのダラムサラに旅立った。パルデンの口から静かな口調で淡々と語られたのは、生い立ち、理不尽な東国の背景、そして33年間に渡る苦痛の日々だった。
パルデンの友人や元政治囚、フリー・チベット活動家の証言を加え、過去の記憶に苛まれる現在のパルデンを描きだす本作は、チベット問題を浮かび上がらせると同時に、人間が持つ精神力の計り知れない可能性を私たちに見せつけるだろう。
『雪の下の炎』
2009年4月11日より渋谷アップリンク他、全国順次ロードショー
監督:楽真琴
プロデューサー:
楽真琴
ジム・ブラウン
ブラダン・ニコリッチ
龍村ゆかり
キャスト
パルデン・ギャツォ
ダライ・ラマ14世
他
配給・宣伝:アップリンク