チェルフィッチュの岡田利規が演出する舞台『タトゥー』が、5月15日より新国立劇場(東京・初台)にて上演される。上演期間は5月31日まで。
『タトゥー』は、2009年ベルリン文学賞を受賞した、ドイツの女性劇作家「デーア・ローアー」による作品。『テアター・ホイテ』誌の年間最優秀新人劇作家賞をはじめとして欧米で数々の賞に輝いている。
今回、「常に新たに社会的な問いを投げかける」と評される彼女の出世作を、独特の言語表現や身体表現でアートシーンにおいて注目を集めるチェルフィッチュ主宰の岡田が演出。さらに、日常の事物に死の恐怖と生の迫力を同時に付与した作品を生み出し、2007年度の芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞した塩田千春が、初めて演劇の舞台美術を手がける。塩田の展覧会をみた岡田が声をかけて実現したという異色のコラボに期待したい。
「『タトゥー』は、禁忌とされる性愛、近親相姦をめぐるお話です。シンプルな分、骨太な戯曲だと思います。演劇の本質としての官能性をごろっとむき出しのまま届ける上演にして、それを、観る観客を、安全じゃない状態の中に陥れたい」と岡田。吹越満、広岡由里子ら実力派揃いの出演陣とともに、閉ざされた家族の愛憎をグロテスクに描きながら、近代社会に潜む深層心理を浮き上がらせる。
シリーズ・同時代【海外編】Vol.3
『タトゥー』
2009年5月15日(金)~31日(日)
会場:新国立劇場 小劇場
作:デーア・ローアー
翻訳:三輪玲子
演出:岡田利規
出演:
吹越満
柴本幸
鈴木浩介
内田慈
広岡由里子
料金:A席4,200円 B席3,150円 Z席1,500円
(画像上:吹越満、画像下:広岡由里子)