原口典之による展覧会『社会と物質』が、横浜のBankART Studio NYK全館にて、6月14日まで開催中だ。
原口は日本美術史の中で極めて独自な歩みをしてきた作家。代表作のひとつである「油のプール」は、ポストモノ派という言葉では言い表すことのできない強度のあるデビューを飾り、それ以降も物質そのものに照準をあてながらも、社会性のある、しなやかで硬質な作品を次々と発表してきた。
今回はBankART Studio NYKの全空間が作品発表の舞台となる。みかんぐみ(建築設計ユニット)によってリノベーションされた、戦後すぐに建てられた力強い倉庫空間と、原口が30数年間展開してきた多様な作品群が、どのような化学反応をもたらすかに注目だ。
海外での大規模展はあるものの、日本においてのまとまった展覧会は今回が初めてとのこと。この貴重な機会に足を運んでみたい。
『原口典之展 社会と物質』
2009年5月8日(金)~6月14日(日)
会場:BankART Studio NYK全館
時間:11:30~19:00
料金:一般900円 大学生600円 高校生300円
※中学生以下65才以上無料