映画『太陽』『エルミタージュ幻想』など、独自の作風で数々の傑作を手掛けてきたロシアの映画作家アレクサンドル・ソクーロフ。彼の監督作『ボヴァリー夫人』が、20年の月日を経てついにそのヴェールを脱ぎ、10月3日(土)よりシアター・イメージフォーラムにて公開される。
本作は、修道院で教育を受けた貞淑なエマ・ボヴァリーが、凡庸な夫に失望しから情事や贅沢な浪費にふけった末、破滅に至るまでを写実的手法で描いたフランス文学の傑作『ボヴァリー夫人』の映画化だ。原作者ギュスターヴ・フローベールの没後130周年を前に、ついに日本で公開されることになった待望の作品である。
発行当時、風俗紊乱の罪に問われた原作者フローベールが「ボヴァリー夫人は私だ」と語ったことはあまりにも有名であり、日本でも時代を超えて愛読されてきた。「私は今も世界に数多くいるエマのためにこの映画をつくった」と語るソクーロフが、はたして原作をどのように脚色したのか。彼が意識したという「不吉なエロティシズム」の表現に、熱い注目が集まっている。
『ボヴァリー夫人』
2009年10月3日、シアター・イメージフォーラムにてロードショー
監督:アレクサンドル・ソクーロフ(『太陽』『エルミタージュ幻想』)
原作:『ボヴァリー夫人』(ギュスターヴ・フローベール著)
キャスト:
セシル・ゼルヴダキ
R.ヴァーブ
アレクサンドル・チェレドニク
B.ロガヴォイ
衣装:クリスチャン・ディオール
配給:パンドラ
(画像:配給パンドラ)