国際的に活躍する日本の写真家・北島敬三の写真展が、10月18日まで東京都写真美術館にて開催されている。
常に人と都市の定点観測を続けながら、写真と記憶の関係性から生まれる世界を追求している北島敬三。その一方で1970年代後半から90年代初めにかけてはストリートフォトグラファーという全く異なる舞台で活動していた。
同展は北島の出発点ともいえる前半期1975年から1991年に撮影されたコザ(沖縄)、ニューヨーク、ソ連を軸に東京、東欧を加えた163点で構成。テレビやインターネットにはない記憶のメディアとしての写真。その力をもう一度考えてみようとする試みだ。北島の視線が捉えるスナップショット、本展のために北島がネガを選び直して新しく制作されたニュープリント、写真の本質を突き詰める展示の3つが最大の見所となっている。
「写真は、言葉や歴史に対して物質的抵抗力となりえるのではないか。」という北島の言葉が物語るように、本展は写真に挑み続ける彼の原点と変容を知るきっかけになるだろう。
『北島敬三 1975-1991』
2009年8月29日(土)~10月18日(日)
会場:東京都写真美術館2階展示室(東京・恵比寿)
時間:10:00~18:00(木・金は20:00 まで)入館は閉館30分前まで
休館日:月曜日(ただし月曜が祝日または振替休日の場合、翌日、但し9月22日は開館)
料金:一般500円 学生400円 中高生・65 歳以上250円
連続対談
2009年9月23日(水・祝)
トーク:『写真のシアトリカリティ』
北島敬三×倉石信乃(明治大学大学院准教授)×林道郎(上智大学教授)×前田恭二(読売新聞記者)
2009年10月10日(土)
トーク:『東京風景』
北島敬三×坪内祐三(文芸評論家)
会場:東京都写真美術館1階創作室(アトリエ)
時間:14:00~16:00
※展覧会チケットの半券をお持ちの方は、どなたでもご参加いただけます。
当日10:00より1階受付で整理券を配布。(番号順入場、自由席)
担当学芸員によるフロアレクチャー
展覧会期間中の第1・3金曜日
時間:14:00~
※展覧会チケットの半券(当日有効)をお持ちの方は、どなたでもご参加いただけます。
(画像上:ニューヨーク ブロードウェイ/NEW YORK Broadway 1985、画像下:プラハ/PRAGUE 1983)