作品スケールの大きさに秘めた森万里子の感性が強く光る『フラットストーン』展

90年代半ばから国際的なアートシーンで活躍するアーティスト・森万里子による『フラットストーン』展が、SCAI THE BATHHOUSEで開催されている。

1997年の第47回ベニスビエンナーレで優秀賞を受賞して以来、国際的な評価を確立し、世界中から注目を浴びる森万里子。2007年から2008年にかけて海外で行われた巡回展は、彼女の作品スケールの大きさを改めて感じさせ、その反響は計り知れない。日本では今年3月に立体作品“プラントオパール”が六本木ヒルズに設置され、気温や雨風など自然現象によって色彩が変化する現象で人々を楽しませている。

本展でメインとなるのは国内未発表の立体作品“フラットストーン”。縄文時代の環状列石にインスパイアされ、22個の白いセラミックパーツを用いて制作された。それは、再び自然と融合する新しい人間の生き方を示唆し、あわせて展示されている宇宙と物質の繋がりをテーマにしたペインティングやドローイングにも共通している。

スケールの大きな立体作品を制作している森万里子の中に秘められた感性と本質的なコンセプトを強く感じさせる内容の展覧会だ。

森万里子
『フラットストーン』

2009年9月8日(火)~10月3日(土)
会場:SCAI THE BATHHOUSE(東京・谷中)
時間:12:00~19:00
休廊日:日・月・祝日

(画像:フラットストーン 2007年 セラミック、アクリル樹脂 展示サイズ:487.5 x 314.6 x 8.8cm Photo by Richard Learoyd)

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