ベストセラー『東京漂流』『メメント・モリ』などを生み出し、鋭い視点で時代を斬る写真作家として支持を得ている藤原新也。彼が2006年に発表した小説『渋谷』が映画化され、1月9日から東京・渋谷のユーロスペースで上映される。
物語の舞台は東京・渋谷。渋谷の少女たちを撮って記事を書く仕事に行き詰まっていたフリーカメラマンの水澤は、取材に出た渋谷センター街で「死んでもいいじゃん!」と切り裂くような声を聞く。彼が目にしたのは、母親を突き飛ばして走り去る少女の後姿だった。
少女の後を追った水沢は、彼女が「ユリカ」と名乗ってヘルスで働いていることを知る。センター街で見た彼女とは別人のような化粧っ気のない顔で、「ココにいるとすごい楽なの」と淋しげに微笑むユリカを、水澤は写真を撮らせてほしいと頼む。
カメラマン水澤を、映画『クローズZERO?』『TAJOMARU』などで人気急上昇中の綾野剛。ヘルスで働く少女・ユリカには、『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』『鈍獣』など出演作が相次ぐ佐津川愛美。そして、ユリカの母を松田美由紀、ヘルスの店員にARATA、ヘルスの客に西村和彦、雑誌社の編集長に石田えりなど豪華キャストが名を連ねている。
藤原の視点を、駆け出しの若いカメラマンの眼を通して再現する同作。若者たちの切なく痛い一夜の物語が誕生した。
『渋谷』
2010年1月9日から渋谷ユーロスペース1で公開
監督:西谷真一
原作:藤原新也『小説』
キャスト:
綾野剛
佐津川愛美
松田美由紀
ARATA
大島優子
斎藤工
藤井リナ
西村和彦
石田えり
配給:ビーワイルド