近年国際的な活躍が目覚しい中国の映像作家・ヤン フードン(楊福東)の日本初個展が、原美術館で開催中だ。
35ミリフィルムに愛着を持つヤン フードンの作品は、細かい粒子が残る独特の質感、完璧な構図を用いた格調高い映像美を特徴としている。それらは目まぐるしいスピードで変わり行く中国現代社会の断片とそこで暮らす人々を、時にドキュメンタリー調に、また時に演劇調に表現している。
同展では、老将軍を囲む祝宴の情景を通して人間の普遍的な在り方を描いた大型映像インスタレーション「The General's Smile」(「将軍の微笑」2009年)、世俗を避け竹林で清談する賢人たちの故事を模して、現代の知識階級の若者像の内面に迫るシリーズ作品「Seven Intellectuals in a Bamboo Forest Part 3」(「竹林の七賢人Part3」2005年)などを展示。本邦初公開の映像作品の数々から、魅力溢れるヤン フードンの世界をこの機会に感じ取ってほしい。
『ヤン フードン―将軍的微笑』
2009年12月19日(土)~2010年5月23日(日)
会場:原美術館(東京・品川)
時間:11:00~17:00(水曜は~20:00)
休館日:月曜日、3月23日
料金:一般1,000円 大高生700円 小中生500円
関連イベント
出品作品『Backyard-Hey, Sun is Rising!』(『バックヤード ほら、陽が昇るよ!』(2001年・13分)を35ミリフィルムで上映
毎週日曜日
会場:原美術館展示室内
※会期が延長されました(2010年3月4日更新)
(画像上:ヤン フードン 「将軍の微笑」 マルチチャンネルヴィデオインスタレーション、2009年 原美術館における展示風景 撮影:木奥惠三、画像中:ヤン フードン 「将軍の微笑」 マルチチャンネルヴィデオインスタレーション、2009年 Courtesy of the artist and ShanghART Gallery、画像下:ヤン フードン 「バックヤード ほら、陽が昇るよ!」 35ミリ白黒フィルム/DVD 13分、2001年 Courtesy of the artist and ShanghART Gallery)