3月1日から3月4日まで池袋の東京芸術劇場ほかで開催される、演劇・ダンス・音楽など、舞台芸術を扱うマーケットイベント『東京芸術見本市2010(TPAM)』。今年のラインナップの見どころを、フォトレポートにてご紹介したい。
主に取り上げるのは、注目のアーティストたちによる実演パフォーマンス「インターナショナル・ショーケース」のラインナップだ。
「音楽ショーケース」には、ATAKの渋谷慶一郎と、清水靖晃によるコンサートが実現。それぞれピアノ、サックスという生楽器の優れた演奏者でありながら、テクノロジーを駆使してレコーディング、ライブいずれにおいても類いまれな音響を作り続けている。
今回行われる「響きのセッション」は、ピアノとサックスから発せられた音をもとに、デジタル・プロセッシングにより残響成分を作りだし、劇場壁面に埋め込まれているスピーカーからマルチチャンネルで送出するというもの。ピアノとサックス、生音と残響音、それぞれが混合し、音の粒子が空間に満ちていく様子を堪能できるライブとなる予定だ。
左:渋谷慶一郎、右:清水靖晃
また「ダンス・ショーケース」では、「今日、いかにすればダンスが可能か?」という問いのもと、4組のアーティストを紹介する。2007年に演出家の活動を再開し、身体感覚をしっかり見据えた衝撃的なパフォーマンスを展開し続ける、飴屋法水。
ただの殴り合いにも、洗練されたダンスにも見えるパフォーマンスを披露するユニット、contact Gonzo。
体をオブジェとして扱い、身体と事物の間に交感を引き起こすことを目論むダンス作品を制作する、捩子ぴじん。
チェルフィッチュの山縣太一と、sim/masなどで活動する音楽家・批評家の大谷能生の2人で結成された演劇=音楽=ダンスの不定形パフォーマンス・ユニット、ライン京急。
それぞれダンス界の最先端を行くユニットが、新作を披露する予定となっている。
また「演劇ショーケース」では、昨年10月に三鷹市芸術文化センター 星のホールで上演した『わが星』が、第54回岸田國士戯曲賞を受賞した柴幸男の率いるユニット「ままごと」。
©Aoki Tsukasa
そして、オリジナル作品の他、シェイクスピアなどの古典作品も多く手がける実力派劇団、東京デスロックなどが登場。
『LOVE』 ©Ishikawa Yuko
そして最後に「海外ショーケース」では、海外の舞台芸術機関・団体と連携し、幅広い対象作品から日本で知られていない優れた海外作品を紹介する。こちらも、先着で200名を無料招待中なので、ぜひ応募してみてほしい。
CINARSショーケース(カナダ)より、カ・ピュブリック ©Leda & St. Jacques
フィンランド・ダンス情報センター・ショーケース(フィンランド)より、カルットゥネン・コレクティブ ©Marko Makinen
インドネシア舞台芸術見本市ショーケース(インドネシア)より、ナン・ジョンバン・ダンス・カンパニー
さらに、イギリスの注目すべきパフォーマンスの試みを行っているカンパニーを紹介する、ブリティッシュ・カウンシル・ショーケース(英国)も開催。メラニー・ウィルソン 『シンプル・ガール』、ティム・クローチ 『マイ・アーム』など、7作品が上演される予定だ。
『シンプル・ガール』
『マイ・アーム』©Chris Dorley Brown
また、同会場にて開催される他のイベントにも、追加参加団体が続々登場。
アーティスト本人や制作者がスクリーンを使い、映像で作品やプロジェクトを紹介する「ヴィジュアル・プレゼンテーション」には、全18団体。
海外を含む団体が、その活動を紹介するブースを設ける「ブース・プレゼンテーション」は、全50団体。
そしてTPAM会期を含む2月27日から3月5日まで、東京近郊の劇場で行われる本公演やスタジオ・ショーイングを紹介する「TPAMショーケース」には、新たに劇団柿喰う客、大橋可也&ダンサーズなどが加わった。
劇団柿喰う客
開催直前にして、ますます充実したイベントになってきた今年のTPAM。今後も続報を配信予定なので、楽しみにお待ちいただきたい。前売りチケットの手配は、早めに済ませておきたいところだ。
『東京芸術見本市2010(TPAM)』
2010年3月1日(月)~3月4日(木)
※ TPAMショーケース:2月27日(金)~3月5日(土)
メイン会場:東京芸術劇場(東京・池袋)
料金:1日パス4,000円 4日通しパス10,000円
主催:
東京芸術見本市2010実行委員会(構成団体:国際交流基金/財団法人地域創造/国際舞台芸術交流センター)
共催:東京芸術劇場(財団法人東京都歴史文化財団)/ブリティッシュ・カウンシル