存在感や思いを変容させる2人の若手作家による展覧会、宮台真司のトークも

吉祥寺のArt Center Ongoingにて、塩川直子と伊佐治雄悟の展覧会『Simple plan』が開催されている。

塩川直子と伊佐治雄悟は、共に1980年代前半に生まれ、これまで全国各地で展覧会を重ね、着実に実力をつけてきたアーティスト。1cm程の白と黒のビニール管を交互に通した針金による立体作品や、モノクロ写真に白いビーズを縫い合わせた平面作品など、塩川の作品にはそれらが本来持っていた思いや存在感とは異なる、一定の距離感や冷めた視線を感じることが出来る。

伊佐治が作り出す緻密で繊細な立体作品の素材となるのは、ボールペンやカッターの刃といった、ありふれた日用品たち。熱して膨らませる、規則的に集積させるなど、素材にほんの少し手を加えることで、大量生産された工業製品の見え方を変容させてくれる。おびただしい数の「既製品」に囲まれた私たちの社会を冷静かつシニカルに見つめなおすことが出来るだろう。

なお、3月13日に行われるトークショーには社会学者の宮台真司が登場。2人の作品の魅力を宮台がどう紐解くのか気になるところだ。

伊佐治雄悟・塩川直子
『Simple plan』

2010年3月3日(水)~3月14日(日)
会場:Art Center Ongoing(東京・吉祥寺)
時間:12:00~21:00
定休日:月・火
料金:無料

トークイベント

2010年3月13日(土)19:00~
ゲスト:宮台真司(社会学者)
料金:1,000円(ワンドリンク付き、先着30名様、要予約)

Pre Ongoing School

2010年3月14日(日)15:00~
料金:1,500円(ケーキとドリンク付き、先着30名様)

(画像上から1:伊佐治雄悟、『Pen』2008、ボールペンに熱処理、画像2:伊佐治雄悟、『Staple』2008、ホッチキスの弾、はんだ付け、画像3:塩川直子、『20年前の家族』2008、布にプリント・ビーズ、画像4:塩川直子、『おばさん』2007、針金・ゴムチューブ)

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