書店のマンガ担当者を中心に漫画好きの有志によって選出される『マンガ大賞2010』の選考結果が発表され、ヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ』が大賞に輝いた。
『テルマエ・ロマエ』は、古代ローマと現代日本の風呂をテーマにしたギャグ漫画。なぜか浴槽を通じて日本の風呂にタイムスリップしてしまう主人公の設計技師・ルシウスを中心に、日本人には馴染み深い風呂文化がユニークな視点で描かれている。文化の違いに翻弄されるルシウスのキャラクターだけでなく、細かく調べ抜かれた文化の背景などからも作者の風呂への愛を感じることができる作品だ。
ポルトガル在住のヤマザキは受賞について「ありがとうございます。ポルトガルと日本、何万キロ離れているか分かりませんけども、もう心臓がドキドキで、涙も出てきました。素晴らしいですね。」とコメント。『マンガ大賞』オフィシャルウェブサイトでは、今回の受賞を受けての描き下ろしが公開中。授賞式の様子や選考コメントなども後日掲載される予定となっている。
なお大賞以下は、小山宙哉『宇宙兄弟』、大場つぐみ・小畑健『バクマン。』、花沢健吾『アイアムアヒーロー』、西炯子『娚の一生』、市川春子『虫と歌 市川春子短編集』、東村アキコ『海月姫』、久保ミツロウ『モテキ』、三島衛里子『高校球児ザワさん』、島本和彦『アオイホノオ』が続いている。