サウンドアートの歴史とその発展、新たな展望を示す新しいサウンドアート研究書籍『SOUND ART ──音楽の向こう側、耳と目の間』が、フィルムアート社から刊行された。
同書は、ニューヨークアンダーグラウンドの熱気の中で過ごし、音楽家、ミニマル・ミュージック研究家、ジャーナリストとして様々な顔を持つアラン・リクトが著したもの。アカデミックなカテゴリーから脱し、現場において皮膚感覚で得た「音」をめぐる「アート」のさまざまな事象から、サウンドアートの地図の作成を試みている。
内容は、「サウンドアートとは何か」「環境とサウンドスケープ」「音と美術の世界」といった考察から、サウンドアートを取り巻くアーティストのバイオグラフィまで約350ページにわたり凝縮されている。
さらに前書きをジム・オルークが担当。同書の中でジムは「本書を読んだあと、音に目を向けたあなたは、それが音なのかアートなのかを自問することになるだろう。そしてまたもやスタート地点に立つことになる。」と記している。
ジョン・ケージからデストロイ・オール・モンスターズ、ルイジ・ルッソロから池田亮司まで取り扱った同書は新しいサウンドアート研究の決定版といえるだろう。