阪神大震災から10年後の街を舞台に、1人の青年と少女による逃避行を描いた映画『にくめ、ハレルヤ!』が、6月26日から渋谷UPLINK Xで公開される。
阪神大震災で両親を亡くしながらも、伯父の家に引き取られ平穏に暮らしてきた青年・裕人は、認知症が進行してきた祖母の口から、あの時瓦礫の街に「サキ」という妹がいたと聞かされる。そんな中、裕人は街中で自分と似た境遇の少女・沙樹と出会う。沙樹は自分の妹「サキ」なのか。一時は薄らいでいた震災の記憶が蘇り、裕人は沙樹を連れた逃避行をはじめる。
主演の裕人役には万田邦敏監督の『×4』での好演も話題を呼んだ苧坂淳。沙樹役に多数のドラマなどで人気を集め、本作が映画初出演作となる藤本七海。また、監督である大阪芸術大学出身の板倉善之をはじめ、撮影を『堀川中立売』『君と歩こう』などの高木風太、音響を自身も『GHOST OF YESTERDAY』などを監督する松野泉、また『夜光』の監督、桝井孝則がスタッフとして参加するなど、制作陣に関西インディペンデント映画シーンの注目人物が多数名を連ねている。
なお本作は、大阪市の映像文化事業『CO2』第二回の企画制作部門において制作された作品だ。企画選考会において阪神大震災をテーマとして扱うことが論議を呼んだが、選考委員の1人である黒沢清監督より高い評価を得ている。
『にくめ、ハレルヤ!』
2010年6月26日より渋谷UPLINK Xにてロードショー
監督・脚本・編集:板倉善之
キャスト:
苧坂淳
藤本七海
長綾美
デカルコ・マリィ
渡辺大介
平松実季
西村仁志
谷口勝彦
森川法夫
木村文洋
絵沢萠子(特別出演)
配給・宣伝:カプリコンフィルム