荒川修作の初期の立体作品を集めた展覧会『死なないための葬送』が、6月27日まで大阪の国立国際美術館で開催されている。
1960年代からニューヨークを拠点に活動を始めた荒川修作は、「死なないために」をテーマに、芸術、哲学、科学を縦横無尽に横断する特異な芸術家。同展では、荒川が渡米以前に制作した立体作品が全国の美術館から集結する。木箱の中に不気味な形状をしたセメントの塊が横たわる、通称「棺桶」シリーズと呼ばれる作品群は、死という宿命を反転させようと模索してきた荒川が見つめた死そのものといえるだろう。
また、荒川に多大な影響を受けたという音楽家・渋谷慶一郎が、コンサート『死なないための葬送曲』を同会場で6月12日に行う。渋谷がサウンドトラックを担当する荒川とその世界を巡るドキュメンタリー映画『死なない子供たち』の音楽が、「棺桶」シリーズを前に演奏される、特別な一夜となるだろう。チケットは荒川修作のオフィシャルサイトから予約することが可能だ。
『死なないための葬送─荒川修作初期作品展』
2010年4月17日(土)~6月27日(日)
時間:10:00~17:00(金曜は19:00まで)
会場:国立国際美術館(大阪・中之島)
料金:一般420円 大学生130円
休館日:月曜日
関連イベント
渋谷慶一郎コンサート
『死なないための葬送曲』
2010年6月12日(土)OPEN 18:00 / START 18:30
会場:国立国際美術館 B2階展示室入り口
出演:渋谷慶一郎
料金:前売3,000円 当日3,500円
(画像上:荒川修作 ≪抗生物質と子音にはさまれたアインシュタイン≫ 1958-59 セメント、綿、ナイロン、着彩、ポリエステル布、木綿、木、ほか 166.0 x 107.7 x 21.0 cm 国立国際美術館蔵 ©Shusaku Arakawa photo:福永一夫、画像中:荒川修作 《もうひとつの墓場より No.4》 1961 セメント、鉄、綿、木、布 64.0 x 42.8 x 19.0 cm 板橋区立美術館蔵 ©Shusaku Arakawa、画像下:渋谷慶一郎)