国際的な前衛舞踏家であり、前衛舞踏を「BUTOH」として世界に広めたことでも知られる大野一雄が、6月1日に呼吸不全のため逝去した。享年103歳。葬儀は近親者で行い、お別れの会が後日開かれる予定。
北海道出身の大野は、1929年に行われたスペイン舞踊家ラ・アルヘンチーナの来日公演に感銘を受けて舞踏家の道を志したという。初リサイタルを1949年に開催した後、1960年代に土方巽と出会い、暗黒舞踏公演で共演を果たす。1977年に発表した独舞踏『ラ・アルヘンチーナ頌』で一躍注目を集めた。代表作には『わたしのお母さん』『死海』『睡蓮(すいれん)』『花鳥風月』など。
2000年に腰を痛めて立つことが困難になった後も、車椅子に乗ったままで手を使った表現を披露するなど、生涯現役を貫く舞踏家として舞踏界に衝撃を与えていた。