石井隆と竹中直人が約17年ぶりにタッグを組んだ愛憎劇『ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う』が、10月2日より全国で公開される。
『なんでも代行屋』を営む紅次郎のもとに、近くでバーを営む母子3人の末娘の「れん」が「父の散骨時に一緒にばらまいてしまった形見のロレックスを探して欲しい」という奇妙な依頼をもって訪ねてくる。それをきっかけに、世捨て人のように生きて来た性善説男・紅次郎は、3人の女たちの欲望を纏った完全犯罪に、さらにはれんの抱えるおぞましい闇へと巻き込まれてゆく。
『死んでもいい』『ヌードの夜』『夜がまた来る』などの作品で、男女のどうにもならない情愛の果ての凶行を描き、独自の世界観が「ネオ・ノワール」として熱狂的支持を集めた石井隆監督。本作は、その代表作の一つであり、1993年に公開された『ヌードの夜』の主人公・紅次郎の新しい物語だ。10年前に書きあげ、竹中直人に渡されたままだった脚本が、竹中の呼びかけにより映画化。前作から17年、企画から10年をかけた渾身の作品だ。
竹中扮する紅次郎を取り巻く女たちにも、豪華女優陣が集結。『死んでもいい』でその年の主演女優賞を総なめにした大竹しのぶ、『フリーズ・ミー』でヒロインを演じた井上晴美など石井作品ではお馴染みの顔ぶれをはじめ、本作のミューズであるれん役には、清純派グラビアアイドルとして活躍し、女優として本格的に活動を始めた佐藤寛子を抜擢。儚げな少女の奥に潜む狂気全てを晒した、体当たりの演技に注目したい。
『ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う』
2010年10月2日(土)より全国ロードショー
監督・脚本:石井隆
キャスト:
竹中直人
佐藤寛子
東風万智子
井上晴美
宍戸錠
大竹しのぶ
配給:クロックワークス
(画像:©2010「ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う」製作委員会)