旅するアーティスト島袋道浩による作品集『扉を開ける』が、9月10日にリトルモアから刊行される。
1969年に神戸市で生まれた島袋は、90年代初めから世界中を巡り、人間の生き方やコミュニケーションに関するインスタレーション作品を制作しているアーティスト。現在はベルリンを拠点に活動している。国内外の展覧会で活躍しており、今年8月21日から開催される『あいちトリエンナーレ2010』にも参加している。
同書は、島袋の20年間の代表作が集めたもの。ロンドンからバーミンガムまでボートで旅をし、その旅路でキュウリがピクルスになっていく様子を文章と写真でドキュメントした『キュウリの旅 Cucumber Journey(2000)』や、ワタリウム美術館の屋上から見える隣のビルに巨大な象の後ろ姿の写真を設置し、この星に象がいることを都会でどうやって想像できるか?を表現した『象のいる星Elephant Planet(2008)』など、可笑しくもロマンチックであり、温まるさまざまな作品を紹介している。
パフォーマンス、インスタレーション、ビデオ、写真、ドローイング、テキストなど様々なメディアによる詩的でユーモアにあふれる島袋の作品は、旅の中で見た風景や出会った人々、そこにあったかけがえのない瞬間、それらに触れた島袋の自由な想像力から生まれている。
なお、8月21日より開催の「あいちトリエンナーレ2010」にて先行発売される。