建築のあたらしい可能性を考える、建築家・石上純也が豊田市で個展開催

建築家・石上純也の展覧会『石上純也−建築のあたらしい大きさ』が、愛知県の豊田市美術館で12月26日まで開催されている。

石上は過去に『ミラノ・サローネ』でのLEXUSの会場構成を手がけたほか、昨年は30代半ばにして日本建築学会賞を受賞し、今年は『ベネチアビエンナーレ建築展』で最高作品賞の金獅子賞に輝いた。

同展では、谷口吉生設計による同館を敷地に見立て、具体的に建築として空間を体感することのできる模型と美術作品の間のようなものとして、5つのプロジェクトを展開。神奈川工科大学KAIT工房の模型や映像、極細の柱と糸を使用した極めて繊細な素材で制作された巨大な構築物、極細のステンレスで作られた超高層建築群など、どの作品も建築の新しい大きさや軽やかさに繋がっている。

また、同展のオープニング当日の朝、設営終了後の片付け作業中に倒壊した作品『雨を建てる』の修復が完了し、10月5日から完成した姿で披露されている。現在開催中の『ベネチアビエンナーレ建築展』で金獅子賞を受賞した作品と同一のものだが、ベネチアでも評価時点で崩壊していたことが併せて大きな話題となっていた。0.9mmのカーボンによる柱を52本の0.02mmの糸で引っ張り、それを54本建てることからなる極めて繊細な作品のため、鑑賞の際には配慮を忘れないようにしたい。

これらのプロジェクトはすべて建築の可能性を考えるうえで導き出されており、今ある世界をいかにして少しでも広げていけるかという未来に向けた提案となっている。

『石上純也−建築のあたらしい大きさ』

2010年9月18日(土)~12月26日(日)
会場:愛知県 豊田市美術館
時間:10:00~17:30(入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜日                       
料金:一般1,000円 高校・大学生800円 中学生以下無料(豊田市内高校生、障がい者、豊田市内75才以上は無料(要証明))
※『あいちトリエンナーレ2010国際美術展』有料チケットを持参すると、当日の企画展観覧料から100円割引(1回限り)。他の割引との併用は不可

関連イベント

『五十嵐太郎(建築史家・建築評論家)×中山英之(建築家) 対談』

2010年11月14日(日)
会場:豊田市美術館 美術館1階講堂
時間:14:00~

『石上純也 対談』

2010年12月26日(日)
会場:豊田市美術館 美術館1階講堂
時間:14:00~
※詳細は後日発表
※各イベント参加には当日の企画展観覧券が必要です
※講演会、対談は当日正午より整理券を配布(定員172席)

『学芸員による作品解説』

2010年10月24日(日)、11月21日(日)、12月19日(日)
時間:14:00~

『作品ガイド・ボランティアによるギャラリートーク』

木曜日を除く14:00~(関連イベント開催日は11:00~)
1階チケット・カウンター前にお集まりください

(画像上から:大学のカフェテリア、≪神奈川工科大学KAIT工房≫ 2008年、≪little gardens≫2007-2008年、≪little gardens≫ 2007-2008年(部分))

  • HOME
  • Art,Design
  • 建築のあたらしい可能性を考える、建築家・石上純也が豊田市で個展開催

Special Feature

Crossing??

CINRAメディア20周年を節目に考える、カルチャーシーンの「これまで」と「これから」。過去と未来の「交差点」、そしてカルチャーとソーシャルの「交差点」に立ち、これまでの20年を振り返りながら、未来をよりよくしていくために何ができるのか?

詳しくみる

JOB

これからの企業を彩る9つのバッヂ認証システム

グリーンカンパニー

グリーンカンパニーについて
グリーンカンパニーについて