ドイツ人アーティストのグレゴール・シュナイダーによる『Toter Raum,Tokio 2010(死の部屋)』が、東京・初台のワコウ・ワークス・オブ・アートで11月27日まで開催されている。
12歳で作品制作を始めたシュナイダーは、2001年にヴェニス・ビエンナーレ金獅子賞受賞した他、ドイツ国内に限らずロンドン、ワルシャワ、ミラノ、イスラエル、オーストラリアなどでも活動しており、近年はハンブルグ現代美術館やメンヒェングラートバッハ美術館に大規模なサイトスペシフィックの彫刻や空間を展示して話題を集めた。
8年ぶりの個展となる同展では、死者のための部屋「死の部屋」をギャラリー内に建設。シュナイダーは、長年「部屋」の作品を制作し続けており、彼の考えによると部屋とは、人々が入り体験することで生じる記憶と積み重ねられる時間によって際限なく変化していくものだという。また、個展のテーマに「死」を選んだことは、一貫して未知のもの(体験や認識)や不可視のものを追求してきたシュナイダーにとって必然ともいえるだろう。
「死は決してタブーではなく、生と同等の尊厳をもって受け止められるべきものである」という考えのもと、死者のために制作されたこの部屋は、生と死という分離し難く結びついた2つの要素についての考察を促す。
また、同展に合わせてテキストシリーズ第3弾『グレゴール・シュナイダー:死は芸術作品か?』も出版されているので、こちらもぜひチェックして欲しい。
グレゴール・シュナイダー
『Toter Raum,Tokio 2010(死の部屋)』
2010年10月12日(火)~11月27日(土)
会場:東京都 初台 ワコウ・ワークス・オブ・アート
時間:11:00~19:00
休館日:日、月曜、祝日
(画像上:"Toter Mann" 2000 Krefeld, Germany (life action, rebuilt) 2005-2007 © Gregor Schneider Courtesy of Wako Works of Art、画像下: "Toter Raum Tokio" 2010 © Gregor Schneider Courtesy of Wako Works of Art)