大阪を拠点とする劇団・維新派の舞台『台湾の、灰色の牛が背のびをしたとき』が、彩の国さいたま芸術劇場で12月2日から5日の4日間にわたり上演される。
「移民」や「漂流」をキーワードに、一貫してオリジナル作品を上演する維新派。「ヂャンヂャン☆オペラ」と呼ばれる独特の発語スタイルや、変拍子のリズムにあわせた同時多発的な踊り、自らの手で野外に巨大な劇場を建設する手法などの壮大な世界観で、2009年のオーストラリア・ニュージーランド公演など、海外ツアーでも高い注目を集めている。
同作は、2007年に上演された第1部の日本人移民をテーマにした南米篇、第2部の第二次世界大戦下のポーランドを舞台にした東欧篇に続く3部作の最終章だ。アジアの島々に渡った実在の日本人のエピソードから「20世紀の海の道」を浮かび上がらせ、前2作にも登場した身長4mの「彼」も登場。彼を作り上げた20世紀の歴史と地理の正体、そして「彼」が最後に辿り着いた先が明らかになるとのこと。瀬戸内海の犬島で行われ初演では、同劇団史上最大規模となる全長100m以上の巨大劇場を出現させたことでも話題を集めた。
また、音楽を渋さ知らズなどの内橋和久、音響をサウンドエンジニアのZAKが手掛けている。作・演出の松本雄吉は「色々とコントロールできる劇場空間では、犬島公演でできなかったことを、もっと正確にできると思う」と話しており、同劇場の構造を生かした舞台美術によって、アジアの島々をつなぐ「20世紀の海の道」を体感できるだろう。
維新派 <彼>と旅をする20世紀三部作#3
『台湾の、灰色の牛が背のびをしたとき』
2010年12月2日(木)19:00~
2010年12月3日(金)19:00~
2010年12月4日(土)13:00~ / 18:00~
2010年12月5日(日)13:00~
会場:埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
作・演出:松本雄吉
音楽:内橋和久
キャスト:
岩村吉純
藤木太郎
坊野康之
石本由美
平野舞
ほか
料金:S席5,000円 A席3,000円(全席指定)
(画像:2010年犬島公演 [撮影]井上嘉和)