斬新な作品で国内外から高い評価を受ける小谷元彦の個展『小谷元彦展:幽体の知覚』が、東京・六本木の森美術館で11月27日から開催される。
小谷は、東京藝術大学で彫刻を学んだ後、彫刻、写真、ビデオなどさまざまなメディアを用いて精力的に作品を発表してきたアーティスト。恐怖や痛み、不安などの感覚を制作の源泉とし、抽象的な身体感覚や精神状態を彫刻的に具体化する小谷の手法はきわめてユニークで、見る者に挑発的に迫る。
美術館で行われる小谷の個展として過去最大規模となる同展では、10年以上にわたって発表してきた作品の数々に加え、「映像彫刻」として楽しむことが出来る体験型の大型映像インスタレーションや、重力、回転、循環など、世の中のしくみや生の営みの根幹となる現象を追求した作品などを紹介。肉体的な作業と膨大な時間を要する彫刻というメディアは、必然的に量感、物質性、実体感を伴うが、小谷はこの彫刻の性質に抗うかのように、目に見えないもの、実体のない存在や現象、いわば「幽体」(ファントム)をさまざまな知覚現象を通して視覚化しようと試みる。
毛髪でできたドレスや拘束具を着けた動物、異形の少女、やせ衰えた武者の騎馬像、激しい滝の水流など、ひとつの解釈にとどまらない多層的なイメージは、美と醜、生と死、聖と俗の境界線上にあり、妖しい魅力を放ち、小谷の作品は従来の彫刻の概念を超えて、存在の形をあらゆる方向から捉えようとする。
ギャラリートークなどパブリックプログラムも多数開催予定なので、こちらもぜひチェックしてみてほしい。また、静岡市、高松市、熊本市にも巡回が予定されている。
CINRA.NETでは、『小谷元彦展:幽体の知覚』の招待券を10組20名様にプレゼントいたします!
お問い合わせページのメールフォームよの件名を「小谷元彦展:幽体の知覚 招待券応募」とし、お問い合わせ内容欄にお名前とご住所をお書き添えの上、お送りください。当選は、招待券の発送をもって替えさせていただきます(なお、ご応募いただいたメールアドレス宛に CINRAのメールマガジンを今後お届けいたします)。(応募締切り:2010年11月22日)
『小谷元彦展:幽体の知覚』
2010年11月27日(土)~2011年2月27日(日)
会場:東京都 森美術館・六本木ヒルズ森タワー53階
時間:10:00~22:00、火10:00~17:00(いずれも入館は閉館時間の30分前まで)
休館日:会期中無休
入館料:一般1,500円 学生(高校・大学生)1,000円 子供(4歳~中学生)500円
※本展のチケットで『MAMプロジェクト013:カテジナ・シェダー』展、展望台 東京シティビューにも入館可(スカイデッキを除く、スカイデッキへは別途料金300円がかかります)
パブリックプログラム
トーク・セッション
『日本、彫刻の可能性』
2010年12月5日(日)
会場:アカデミーヒルズ49(六本木ヒルズ森タワー49階)
時間:14:00~16:00
出演:
小谷元彦(アーティスト)
戸谷成雄(彫刻家)
定員:150名(要予約)
料金:一般1,000円※MAMCメンバー無料
お申し込み:森美術館ウェブサイト
※日英・手話同時通訳付
アーティストトーク
2011年1月11日(火)
会場:森美術館展示室内
時間:19:00~21:00
出演:小谷元彦
定員:80名(要予約)
料金:無料(要展覧会チケット)
お申し込み:森美術館ウェブサイト
※日英同時通訳付
※予約が必要なプログラムは11月4日(木)の11:00より先着順に受け付けます
巡回スケジュール
2011年5月28日(土)~7月10日(日)
会場:静岡県 静岡県立美術館
2011年7月22日(金)~9月4日(日)
会場:香川県 高松市美術館
2011年9月17日(土)~11月27日(日)
会場:熊本県 熊本市現代美術館
(画像上から:《ファントム・リム》 1997年 Cプリント、アクリルフレーム(5点組) 148 x 111 cm (各) 所蔵:高橋コレクション Courtesy: YAMAMOTO GENDAI, Tokyo、《SP2 ‘New Born’ (Viper A)》 2007年 ミクストメディア 67 x 28 x 18 cm 個人蔵 Photo: Kioku Keizo Courtesy: YAMAMOTO GENDAI, Tokyo、《エレクトロ(バンビ)》 2003年 鹿の剥製、アルミニウム鋳造、ほか 61 x 60 x 29 cm 所蔵:フェリエ肇子氏 Photo: Kioku Keizo Courtesy: YAMAMOTO GENDAI, Tokyo、《ダブルエッジド・オブ・ソウト(ドレス02)》 1997年 髪の毛 166 x 70 x 3 cm 所蔵:金沢21世紀美術館 Photo: Kunimori Masakazu Courtesy: YAMAMOTO GENDAI, Tokyo)