フランスの巨匠、ジャン=リュック・ゴダールの実に6年ぶりとなる長編劇映画『ゴダール・ソシアリスム』が、12月18日より日比谷TOHOシネマズシャンテほか全国で公開される。
同作は、スペイン内戦で無くなった黄金をめぐるミステリーを軸に3楽章で構成される。豪華客船を舞台に様々な人種の人々が交錯する第1楽章『こんな事ども』、フランスの片田舎で、子供が選挙に立候補していいはずだと主張する姉弟を描いた第2楽章『どこへ行く、ヨーロッパ』、そして第3楽章の『われら人類』では、第1楽章でたどった航路を巡りながら、人類の歴史を築いたとされる6つの場所の真偽の伝説を検証する。
出演は、ロックシンガーのパティ・スミス以外ほぼ無名な役者でありながら、全員が強烈なゴダール色で登場。スタッフは、ゴダールのパートナーであるアンヌ=マリー・ミエヴィルとサウンドのフランソワ・ミュジー以外は、ほとんどが今作からの新しい顔ぶれとなっている。
ゴダール最後の映画かと噂につつまれながら今年のカンヌ映画祭に登場し、冒頭での海の凄まじい映像や、みなぎる詩の活力で見るものを圧巻した同作。1時間42分の本編全編を超高速の2分前後で見せる予告編も公開されている。なお、CINRA.NETに掲載中の「『ゴダールシンポジウム』レポート」では、菊地成孔と佐々木敦による解説が展開されているので、こちらとあわせてチェックしてほしい。
『ゴダール・ソシアリスム』
2010年12月18日より日比谷TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー
監督:ジャン=リュック・ゴダール
第1楽章『こんな事ども』
出演:
マチアス・ドマイディ
ナデージュ・ボーソン=ディアーニュ
ジャン=マルク・ステーレ
アガタ・クーチュール
マリー=クリスティーヌ・ベルジェ
カンタン・グロセ
モーリス・サルファティ
オルガ・リャザーノワ
ドミニク・ドヴァル
ルーマ・サンバール
第2楽章『どこへ行く、ヨーロッパ』
出演:
クリスチャン・シニジェ
カトリーヌ・タンヴィエ
マリーヌ・バタジア
ギュリヴェール・エック
エリザベート・ヴィタリ
アイ・アイダラ
第3楽章『われら人類』
配給:フランス映画社