日本画における前衛の意義を多角的に検証する、『「日本画」の前衛  1938-1949』

日本画領域でもっとも革新的な前衛集団である「歴程美術協会」の軌跡を辿る『「日本画」の前衛 1938-1949』が、東京・竹橋の東京国立近代美術館で2011年1月8日から開催される。

日本で初めて具体化された「前衛」意識の起源は、1938年に山岡良文、岩橋英遠、船田玉樹、田口荘ら日本画家と、美術評論家の四宮潤一、洋画家の濱口陽三らによって結成された歴程美術協会にある。それらの作品は、抽象や革新的な描法へ取り組み、ジャンルを超えた自由な表現を含んだ総合芸術表現を目指した。

同展は、1999年に京都国立近代美術館で行われた『日本の前衛 Art into Life  1900−1940』に続く展覧会。その後に発掘された作品や研究をふまえ、歴程美術協会からはじまる「日本画」領域の挑戦を取り上げながら新たな考察を加えている。

会場は5部構成となっており、初公開作品を含め現存するほぼ全ての歴程美術協会の作品が展示される。同協会の活動を紹介するだけにとどまらず、周辺の動向や影響関係を、靉光、長谷川三郎、北脇昇、小牧源太郎、小野里利信らによる多彩な洋画とともに探り、戦中から戦後にかけて迎える終焉と再興ともいうべきパンリアルの誕生までを辿っていく。また、同協会の芳名録に加えて貴重な資料も展示される。

戦争の拡大とともに未完の前衛と化した様相にも触れつつ、日本画における前衛の意義を多角的に検証する。

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※記事掲載時、本文の一部に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

『「日本画」の前衛 1938-1949』

2011年1月8日(土)~2月13日(日)
会場:東京都 東京国立近代美術館 企画展ギャラリー
時間:10:00~17:00、金曜は20:00まで(入館はそれぞれ閉館30分前まで)
休館日:月曜(祝日又は振替休日に当たる場合は開館し、翌日休館)
料金:一般850円 大学生450円 高校生以下および18歳未満、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料

講演会
『日本画の前衛−「歴程美術協会」を中心に』

2011年1月29日(土)14:00~15:30
会場:東京都 東京国立近代美術館
出演:山野英嗣(京都国立近代美術館学芸課長・本展企画者)

(画像上から:山岡良文《シュパンヌンク》1938年 個人蔵、田口壮《季節の停止》1938年 大分県立芸術会館蔵、三上誠《無題(夜)》1949年 京都国立近代美術館蔵、船田玉樹《花の夕》1938年 個人蔵)

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