視覚像の持つ多様な可能性から、イメージのパンデモニウム(大混乱、無法地帯)へと誘う連続企画展『複合回路vol.6 認識の境界―石井友人』が、東京・馬喰町のgallery αMで2月19日まで開催されている。
『複合回路』は、高橋瑞木、鈴木勝雄、田中正之ら3人のキュレーターが独自の観点から作家を選定し、個別のテーマのもとに行ってきたシリーズ。最終回となる今回は、田中による企画『認識の境界』の一環として展開される。
石井は、写真など既存のイメージをソース絵画化し、情報の受容装置としての視覚を扱った作品を制作するアーティスト。視覚的映像は多様な要因によって多彩に受け取られるという問題意識を念頭に置いており、今回の個展では複雑化した情報環境に対して見る事や感じる事などの原初的メタファーに、複数の目が集合して出来る「複眼」というモチーフを採用している。
複眼に映る多様な像のように無数のイメージが展開される石井の作品は、コミュニケーションの中で人々へ伝達されながら多様な展開を続けるイメージの世界へと見るものを誘い込むだろう。
さらに、期間中は若手アーティスト福永大介とのトークイベントも行われる。福永は現在、小山登美夫ギャラリーで約10点の新作ペインティングを含む個展を開催中なので、こちらもぜひチェックしてみてほしい。
『複合回路vol.6 認識の境界―石井友人』
2011年1月15日(土)~2月19日(土)
会場:東京都 馬喰町 gallery αM (ギャラリー・アルファエム)
時間:11:00~19:00
休廊日:日、月曜、祝休
料金:入場無料
『トークイベント 石井友人×福永大介』
2011年2月5日(土)
時間:17:00~18:00
『シンポジウム 複合回路について:関係性の中の美術』
2011年3月5日(土)16:00~18:00
会場:東京都 馬喰町 gallery αM
パネリスト:高橋瑞木、鈴木勝雄、田中正之、参加作家から3名を予定
※入場無料・予約不要
『福永大介 何かを味方にすること』
2011年1月22日(土)~ 2月26日(土)
会場:東京都 清澄白河 小山登美夫ギャラリー東京 7F
時間:火~土曜の12:00~19:00
休廊日:日・月曜
(画像:石井友人 Compound Eye (block noise images) 2010, oil on canvas 150 x 150 cm ©Tomohiro Ishii)