実験音楽の巨匠、ジョン・ケージの歴史的作品『ヴァリエーションズVII』が、1月29日と30日の2日間にわたって東京・浅草のアサヒ・アートスクエアで上演される。
1966年にNYで初演された『ヴァリエーションズVII』は、ジョン・ケージ最大規模のライブエレクトロニクス作品だ。最大の特徴は、録音された音、事前に用意した音を一切使わず上演されること。空中に飛び交う電波、心臓や衣擦れのような小さ過ぎて聴こえない音、遠くにあって届かない音、アナログ電子回路が生み出す電気の波などそれらすべてを受け止め、エレクトロニクスによって可聴化、混合し、17チャンネルのスピーカーから放出する。
同公演では、未出版のジョン・ケージ本人によるメモと、初演時のエンジニアの記録をもとに、テクノロジー環境の変化も考慮した上で『ヴァリエーションズVII』を再構築。出演者は、2007年に『サントリー・サマー・フェスティバル』でケージ作品『ユーロペラ5』の演出を手掛けたパフォーマーの足立智美をはじめ、有馬純寿、池田拓実、毛利悠子の4人。会場のアサヒ・アートスクエアが、巨大な受信機に変化する。なお、同作は今回が日本初上演となる。
音楽の複数次元
『ジョン・ケージ「ヴァリエーションズVII」』
2011年1月29日(土)START 19:00
2011年1月30日(日)START 15:00
会場:東京都 浅草 アサヒ・アートスクエア
出演:
足立智美
有馬純寿
池田拓実
毛利悠子
料金:前売2,500円 当日2,900円