作家・芥川龍之介の小説をコラージュしながら、近代と現代の狭間で生きた日本人の姿を描く舞台『Kappa/或小説』が、3月11日から3月21日まで神奈川芸術劇場大スタジオで上演される。
演出家の三浦基が主宰する劇団「地点」の新作公演として上演される同作。多様なテキストを細分化し、独特のイントネーションとアクセントをつける発話スタイルと、強烈な印象を残す空間構成を特徴とする地点は、生き生きとした劇的言語センスで注目されている。
新作『Kappa/或小説』は、河童の国の描写から人間社会を批判した『河童』、神経の病を描いた『歯車』、芥川の自伝的作品『或阿呆の一生』などを中心に、芥川が手がけた俳句や翻訳を含めて再構成されている。芥川の硬質な言葉が、小説とはまた違った色あいを帯びて舞台に表れるだろう。
これまでチェーホフ4大戯曲連続上演に取り組むなど、「近代を消化しきれない現代」のリアリティについて作品を通じて思考してきた地点にとって、KAAT神奈川芸術劇場とびわ湖ホールとの共同製作作品となる『Kappa/或小説』は、かつてない大規模な公演になりそうだ。
『Kappa/或小説』
2011年3月11日(金)~3月21日(月・祝)計12回公演
※3月15日は休演日
会場:神奈川県 KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ
原作:芥川龍之介
戯曲:永山智行
演出:三浦基
出演:
安部聡子
石田大
大庭裕介
窪田史恵
河野早紀
小林洋平
谷弘恵
料金:全席指定3,500円
高校生以下割引¥1,000 U24チケット¥1,750 シルバー割引¥3,000
(画像:地点『あたしちゃん、行く先を言って―太田省吾全テクストより―行程2』より)