20世紀美術界の謎、ヘンリー・ダーガーの「虚と実」に迫る展覧会で本邦初公開の遺品も

20世紀アメリカ美術における最大の謎ともいわれるヘンリー・ダーガーの人生と創作に迫る企画展『ヘンリー・ダーガー展 ~アメリカン・イノセンス。純真なる妄想が導く「非現実の王国で」』が、4月23日から東京・ラフォーレミュージアム原宿で開催される。

アウトサイダーアートの代表的な作家として知られるダーガーが手がけた叙事詩的小説『非現実の王国で』は、彼の死後に下宿先の大家夫妻によって偶然発見された作品。そこには子供を奴隷として虐待する暴虐非道な男たちを相手に、壮絶な戦いを繰り広げる7人の美少女姉妹の物語が、計15,000ページ以上にわたり綴られていた。天涯孤独に生きたダーガーは約40年の間、誰にも知られることなく、数百枚を超える挿絵と共にこの作品を紡いでいたとされている。

同展では最新の研究成果のもとに、未だ全容が解明されていない作品『非現実の王国で』と、作家自身の知られざる実人生の2つの謎を解き明かす企画展だ。会場は、ダーガーの幼少期にフォーカスをあてる「Early Days」、ダーガーが興味を抱いていた事物を紹介する「Archeology of Henry Darger's Room」、本邦初公開作品も含む『非現実の王国で』の挿画64点を展示する「Welcome to the Realms of the Unreal」、自叙伝と遺品6点を紹介する「History of My Life」、様々な分野の著名人から寄せられたコメントを通じてダーガー像に迫る「Hommage」の5つのセクションで構成される。

なお、今回展示される本邦初公開の遺品は、ダーガーが人生の後半40年を暮らした部屋から見つかったもの。これらを手がかりに、ヘンリー・ダーガーの実態に迫る。

『ヘンリー・ダーガー展 ~アメリカン・イノセンス。純真なる妄想が導く「非現実の王国で」』

2011年4月23日(土)~5月15日(日)
会場:東京都 ラフォーレミュージアム原宿(ラフォーレ原宿6階)
時間:11:00~20:00(5月15日(日)は18:00まで)
料金:一般800円 学生600円 
※小学生以下、ラフォーレカード会員は無料

(画像:Collection of Kiyoko Lerner ©Kiyoko Lerner 2011)

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